① 秀 弥
鞦韆を漕ぎ羽化登仙をむさぼりぬ
春寒や羽毛コートの襟立てて
押すたびに大声あげる鞦韆児
② 金 博
西方へ沖をゆく舟遠ざかる
ゆく春や肩をならべて浜の道
西日浴びタンカー遠く瀬戸の海
③ 延 一
永き日に為すこともなし草むしり
ブランコを漕いで寂しさ募る夕
株下落花の便りも上の空
④ 道 子
地図になき国へぶらんこ強く蹴る
互いちがひに揺らす鞦韆影暮るる
間延びせる鴉のこゑも遅日かな
⑤ 幸 利
夢のせて漕ぐやブランコ遠い空
天空を目指して漕ぐやぶらんこよ
ブランコや喜ぶ声聞えけり
⑥ 才 原
鞦韆や遠き昔を呼びおこし
夕暮にぶらんこひとつゆれにけり
ぶらんこや頑固な気持ほぐれけり
⑦ 前 田
霞む空ジャンボ機重い腰を上げ
鞦韆で恋したひとは今いずこ
雨あがり淀み彩る散り桜
1.酵素の役割
栄養素には炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル、繊維質の六つがあるが、最近第七の栄養素と言われているのが酵素である。酵素の働きを無視して、身体の生命活動を語れないし、健康への影響度も無視することが出来ない位、重要な働きをしているのである。
2.酵素とは
酵素とは、体内で化学反応を起こさせるための触媒の働きをするタンパク質の分子のことで、 そして触媒とは、他の物質に働きかけて化学反応を促進させる物質のことを言う。我々が食べたものを消化、吸収できるのも、筋肉を動かしたり、呼吸をしたり、考え事をしたりするのも、酵素の働きが関係している。今から二十数年前に、アメリカのエドワード・ハウエル博士が五十年間の酵素の研究をしてきて、「酵素寿命決定説」を唱えた。それは、体内の酵素が尽きたときが、寿命も尽きることを発見した。最近ではこの説は多くの医療関係者に支持され、応用されて成果を上げている。
3.酵素の種類
大きく分けて、我々の身体の中で作られている体内酵素(体内酵素は潜在酵素とも呼ばれることもある)と体外から食物として摂取する外部酵素の二種類がある。そして体内酵素には消化酵素と代謝酵素の二種類がある。
消化酵素とは、文字通り、食べ物を消化する酵素である。我々が食べ物を食べると、唾液、胃液、膵液、胆汁、腸液などが消化器官から分泌されて、これらの液に含まれている酵素が消化活動をしている。次に代謝酵素とは、身体全体の新陳代謝、自然治癒力や免疫力発揮の為に働いている酵素である。それから外部酵素とは、食物の中に含まれている酵素を体外から摂取するもので、例えば大根おろしを食べると、中に含まれているジアスターゼという酵素を体内に入ることなど。
我々の身体に少なくとも三千種類から五千種類以上の酵素が働いていて、ひとつの酵素はひとつの役割しか行わないから、これだけの種類があるという。
4.酵素の特徴
問題なのは、一生の間に使える体内酵素の量は限られているから、若い時に浪費してしまうと、早く枯れてしまい若死にする羽目に陥る。それでなくても加齢と共に体内酵素の生産量は減少してゆく。また「消化酵素適応分泌の法則」があって、体外から消化酵素の多く含まれている食べ物を摂ると、体内の消化酵素の分泌量が少なくて済むので、体内酵素の在庫量を温存できて助かる。更にもうひとつの特徴は、体内の消化酵素と代謝酵素の間には、量的な面での代行性があって、例えば、一時的に消化酵素の活動が忙しい時は、代謝酵素は自分の量を減らして、肩代わりしてくれる。逆のケースも当然あり得る。だから大食して肥っている人が消化酵素をいつも大量に浪費していると、代謝酵素がいつも不足を来していて、免疫力が低下して、ガンになることもあり得るのである。
この大事な酵素の一番の弱点は熱に弱く、48度から55度で死滅してしまうことである。
5.酵素不足注意
酵素を不足させて病気を作る生活態度とは何かといえば、酵素の含まれていない食品ばかり摂取すること、加熱したものばかり食べること、過激な運動、睡眠不足、ストレスなど。特に食品添加物の多い加工食品、インスタント食品、コーヒー、お酒、甘いもの、動物性食品の摂取、クスリの常用、喫煙なども。これらの事は活性酸素を発生させるので、その処理に大量の酵素が使われる為である。
6.酵素対策
では、酵素を増やすにはどうすればよいか。前述したような事を改めること以外にも、主食は玄米の少食にする。生野菜や果物を摂る。発酵食品を摂る。例えば納豆、ぬか漬け、梅干し、きゅうりやナスの粕漬け、大根の麹漬けなど。シヨウガ、ハチミツ、味噌汁、大根おろし、長芋のとろろ、野菜サラダ類もおすすめであるが、野菜類は新鮮で、その土地で採れる旬のものを使用して、サラダなり、野菜ジュースで摂るのがよい。ハウスものは避ける。以上述べたような事を日常生活において、実行しても、従来からの悪い生活態度を改めないで併行していては、効果は期待できない。例えば大食、高脂肪高タンパクの肉、卵、乳製品、甘いお菓子や飲み物の摂取は体内の酵素の活性化の足を引っ張る行為である。何故ならこれらの食品は消化、吸収のために、酵素をムダ使いさせるし、腸内環境を悪化させて、その処理にも酵素が浪費させられるからである。特に加齢と共に体内酵素の生産量は減少するから、酵素の多く含まれる食品を積極的に摂取して、健康を維持する工夫をしないと、酵素が枯渇して、早々に命を落とすことになる。
7.酵素なき食べ物は生命の糧にならず。
「生きたものは生きたものに養われる」という言葉がある。野生の動物で加熱したものを食べているのは人間だけである。55度の温度で酵素は死んでしまうから、新鮮な野菜、果物、発酵食品を常に食卓にのせたいものだ。甘酒を自分で作り、毎日飲むのもよい。生きた点滴と言われている。
8.消化酵素の内容
下記の通り消化酵素(全部で24種類ある)にはこんなに分泌して、働いてくれている。
胃液 2500CC/日アミラーゼ、プロテアーゼ、レンニン
唾液 1500 マルターゼ、アミラーゼ
腸液 3000 リパーゼ、ラクターゼ、アミノペプチターゼ、マルターゼ
膵液 800 トリプシン、アミラーゼ、リパーゼ
胆汁 1000
合計 8800CC/日
これだけの酵素が分泌されているからこそ、食べた栄養素が消化、分解され各細胞に届き、活動エネルギーとなっている。なお食べ物が栄養素に分解されることを異化という、その栄養素から組織・器官の材料が作られることを同化という。異化と同化を合わせて代謝と呼んでいる。
尚これらの一日に8800ccの大量の消化液が、どこで作られているかといえばその各組織、臓器の分泌腺である。ただの水ではなく、それぞれ食べ物に対応した酵素成分を各組織なり臓器が作り出す力に驚嘆を覚える。人間の体の力に感謝しきれない。無造作に欲望の赴くままに酒を飲み、甘いものや辛い物、肉や魚を喰らいて、ひと時の口福に酔いしれて、満足していることはなんとも情けない。天の配慮、体の緻密な配慮に感謝し、暴飲暴食を慎まなければいけない。
9.まとめ
1)これを機会に大食して、体を酷使していないか反省する。
2)酵素は一生に限られた量しか分泌されないから、尽きた時が命も尽きる。
3)生きた食べものに酵素が有る。加熱、加工食品には命の糧にならない。電子レンジでチンはダメ。
4)体の悲鳴が聞こえる心がけ配慮を持つことが大事。体をいじめない。
5)水分を摂る。一日に1~1・5L摂り、新陳代謝を良くする。
6)活性酸素が発生することを慎む。酵素の無駄使いとなる。ストレス、加工食品摂取など。
7)消化には膨大なエネルギーが使われることを知る。大食はいけない。
おわり
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