1.骨粗鬆症人口
現在、日本の総人口は約1億2000万人ですが、うち骨粗鬆症人口は1300~1500万人とされている。2035年には日本の総人口は減少するにも関わらず、骨粗鬆症人口は1800万とさらに増加すると予想されている。骨粗鬆症は、「骨密度」や「骨質」の低下、つまり「骨強度」が低下し、骨が弱く脆い状態をいう。転倒などにより骨折しやすくなり、高齢であればそれをきっかけに介護が必要になってしまうなど、大きくQOL(クオリチィオブライフ)即ち「生活の質」を低下させる原因となる。この疾患は特に高齢者や閉経後の女性に多く、高齢化が進む現代においては避けて通れない、万全の注意をすべきである。
2.骨粗鬆症になる原因
骨は、古くなった骨を壊して吸収する破骨細胞と、新しい骨を作り出す骨芽細胞によって、老朽化した骨を壊し、新しい骨へ作り替える作業(骨代謝)を日々繰り返している。この骨代謝バランスは、加齢によって変化し、高齢者では破骨細胞の働きが優位となる。閉経後の女性や壮年期以降の男性では、この骨代謝バランスが崩れ破骨細胞の働き強くなる結果、骨折が生じやすくなる。
1)加齢と共に、骨量は減少してゆく。特に女性では閉経後にエストロゲンの減少が骨密度低下を加速してゆく。自覚症状としては、若い時よりも、身長が何センチも縮んでいる人は、医者へ行き要骨密度チェック。
2)ホルモンの影響でエストロゲンやテストステロンの低下、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能異常、早期閉経(45歳未満での閉経)など。
3)生活習慣病で動脈硬化や脂質異常症、糖尿病、高血圧、腎臓疾患など。
4)栄養不良でカルシウムやビタミンDの摂取不足(骨密度の低下)、コラーゲンの劣化には、ビタミンB6、B12や葉酸の摂取不足(骨質の低下)
5)生活習慣:喫煙、過度の飲酒、運動不足、痩せの体型、若い頃の過度なダイエット。特に若い頃より運動をしない人は、骨に負荷を与えないため、骨粗鬆症になりやすい。
6)薬剤:ステロイドや抗てんかん薬の長期使用。
7)最も怖いのは、骨の脆弱化から変形、歪みを生み、圧迫骨折、脊椎管狭窄症、坐骨神経症、腰痛、膝痛など招く恐れあり。
3.カルシュウム・パラドックスとは
1)カルシウムが足りなくなると、からだは骨からカルシウムを溶かし出します。そして溶け出したカルシウムは血管に入り、細胞に運ばれていき、細胞内にカルシウムが流れこんでいく。その結果、実はカルシウムが足りないのに細胞内のカルシウムが増えてしまうという逆説が起こる。これをカルシウムパラドックスという。パラドックスとは逆説という意味。
2)この現象を故新谷弘実著「健康の結論」の本に書かれている牛乳の害によって、説明すると理解しやすい。なお新谷弘実博士は世界で初めて大腸内視鏡によるポリープ切除に成功して、これまでに30万人の治療経験を持つ名医である。
俗に牛乳は栄養がある、カルシュウムが豊富にあり、体に吸収されやすい、と言われているが、
確かに牛乳を飲むと、血中カルシュウム濃度が急激に上がる。ところが生体には生命恒常性維持機能(ホメオスパシス)と言うものが自動的に働いて、血中濃度を一定に保つので、余剰のカルシュウムを排出してしまう。その時マグネシュウム、亜鉛。鉄分、ビタミン類なども一緒に出て行く。しかし小魚や海藻を食べても、血中カルシュム濃度は急激には上がらないからこの現象は起きない。私は(新谷博士)長年にわたり患者さんを診てきたが、牛乳を飲み続けて、骨粗鬆症になった人を沢山見てきた。乳製品を大量に摂取しているデンマーク、フインランド、スエーデンなどの酪農の盛んな国の人に骨粗鬆症や股関節骨折が非常に多いことがその証明になる。
4.糖尿病は骨粗鬆症を招く。
高血糖が骨粗鬆症を引き起こす。そのメカニズムとは、高血糖(糖尿病)は骨の強度(骨密度+骨質)を低下させる。血液中の過剰な糖が骨のコラーゲンと結びつき、「終末糖化産物(AGEs)」を生成。これが骨を「しなやかさのない、脆い状態」にする。骨の代謝異常: インスリンの作用不足や抵抗性により、骨を形成する「骨芽細胞」の働きが抑制され、新しい骨が作られにくくなる。カルシウ高血糖状態は尿の量を増やし、カルシウムやマグネシウムを尿と一緒に排泄してしまう。等がその流である。
5.加齢とカルシュウム吸収比率
加齢と共にカルシウム吸収率が低下する。若い頃は35-45%あったカルシウム吸収率が、65歳以上では約25%まで低下する。その理由は加齢で 胃酸の分泌が減ると、カルシウムが溶けにくくなり、吸収が進みにくくなる。更にホルモン変化で 特に女性は50歳前後の閉経後にエストロゲンが激減し、骨からカルシウムが流出しやすくなる。また 骨の破壊(破骨細胞)が形成(骨芽細胞)を上回るため、骨がスカスカになる。
そこで加齢に伴うカルシウム吸収力を維持・強化する対策としては、 腸での吸収を促進するビタミンDを積極的に摂る。小魚、きくらげ、キノコ類など摂取する。日光浴: 体内でビタミンDを合成するために、日光を浴びることも有効(夏30分、冬1時間程度)。骨を刺激する運動をする。 ウォーキングなどの運動で骨に負荷をかけると、骨密度低下を防げる。
6.まとめ
1)「白糖は灰盗である」と言う言葉がある。これはドイツの自然療法家ブラウフレの言葉であるが、甲田光雄博士著「白砂糖の害は恐ろしい」に掲載されて、警告を発している。その意味するところは、砂糖は超酸性食品で、体内に入ると、血液が酸性になり、これを体内の恒常性機能が働いて、中和しようとして、体の骨からアルカリ性のカルシュウムを動員する結果、骨が脆くなる、と言うわけである。
2)全国で糖尿病患者及び予備軍を入れると、2300万人いると云われている。最近糖尿病患者がと急増していると言われているにも拘らず、テレビでは相も関わらず、スイーツや爆食番組が目白押しには、目を覆いたくなる。これでは病人は減らない。
3)上述したように、骨粗鬆症の予防には、結論として・・・。
- 牛乳を飲まない。カルシュウムは小魚、海藻類を食べで補う。もっと牛乳の害を知ろう。
- 日頃から体を動かして、骨に負荷を与える運動をする。
- 白砂糖の含まれているお菓子類、ジュースを摂取しない。もっと糖害を知ろう。
- 若いときから身長が数センチも低くなっている人は、医者へ行き。骨の検査をしてもらう。骨粗鬆症になっている自覚がない人が多い。骨折して初めて気が付いても遅いのである。若いときから、コツコツと骨粗鬆症にならぬように、予防に力を注ぐことが肝要である。
4)今回のテーマを書くにあたり、何冊もの関係本を読んだが、牛乳の害や砂糖の害にしても、現代医学の通説と異なる異説はテレビや新聞では無視され、知らされないから、一般の人は判断を誤りやすい。無知は恐ろしい。
おわり
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