飛行機
飛行機に初めて乗ったのは会社に入ってから。ボストンへ液化天然ガス(LNG)の液位を測る計測器の立会いで行った時だ。38歳くらいの時だろうか。当時はまだ関西空港はなく成田から出発した。初めて乗る飛行機は生れて初めて行く異国への期待と、墜落すれば命がないと言う不安が入り混じったものだった。
誘導路より滑走路へ入り、「ただ今より離陸します」のアナウンスと共にエンジン音が変わり、座席の後ろにピタッと押し付けられるような加速度感は一種の快感そのもの。その後何回か飛行機に乗ったが、その加速度感にも慣れてしまったのか当時の感動は感じられなくなった。
成田からニューヨークへの直行便はなく、給油のためにアラスカに立ち寄る。トランジットと言うらしい。乗客は飛行機から降ろされ空港内で待機する。暇つぶしにデューティフリーの売店をのぞくと日系と思われるおばさん達が流暢な日本語で、言葉巧みにお土産品を薦めてくれる。まだ旅の往路にてかみさんや子供達へのみやげはぐっと我慢した。
長時間のフライト後無事ニューヨークラガーディア空港に到着。飛行機から空港ロビーに降り立った時、空気が違うとまず思った。その感覚はそのあとフィリピンへ行った時も中国へ行った時も感じた。
ボストンへ行くのにニューヨークとの間を行ったり来たりする所謂シャトル便と呼ばれる飛行機に乗る。乗り合いバスならぬ乗り合い飛行機。座席指定はなく乗りこんだ順に席を埋めていく。広いアメリカならではのシャトル構想である。
飛行機があったからアメリカまで行けた。そしてアメリカの大地に立って感じた。「こんな国と戦争をして勝てる訳がない」と。
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