鉄板
造船所に勤めていたので薄いのから厚いのまで鉄板は見慣れたものだった。鋼材を運んでくる船が岸壁に着いて、荷揚げされた鉄板が鋼材ヤードに仮積みされる。その高さを見て製造工程がスムースに流れているかどうか判断したものだ。仮積みされる枚数が増えるとその高さは高くなる、予定どおりに板が加工工程に流れていない事を意味する。そんな鉄板を切ったり貼ったり引っ付けたりは造船所の得意技、嫌というほど見てきた。
でもその板がどんなふうに出来るのかは一度も見たことがなかった。今勤務する会社が神戸市機械金属工業会に加入していて、そこで製鉄所の見学会があると言う。やっと願望が叶うと早速応募。
行き先は株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所である。570万㎡の敷地で年間650万トンの粗鋼生産量を誇るこの製鉄所は、日本で上の下、中の上くらいの規模とか。
時間の関係で高炉と厚板圧延工場しか見せてもらえなかったが、造船所で使う厚板がどんなふうに出来あがるのかを目の当たりにできてラッキーだった。地球のマグマを連想させる真っ赤な鉄の塊が圧延機前後のコンベア上をかなりのスピードで行ったり来たりする様は圧巻もの。圧延機をくぐるたび薄くなる分長くなっていく鉄板は、さながら生き物のように見えた。かなり離れた二階の見学通路までその熱気が迫り見ごたえ十分、迫力満点。
造船もそうだがこうした素材を作るのも長年の技術と技能の蓄積の賜物と感じ入ったものである。
PS:【鉄】と言う字は、何故金を失うと書くのだろう???
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