第九のふるさと
ベートーブェン「第九」が日本で初めて演奏された地が、徳島県鳴門市の坂東にある。
大正中期、坂東俘虜収容所にドイツ兵約千名が捕虜として収容され、松江豊寿所長の寛容な待遇の下、比較的自由に生活したと言う。
第一次世界大戦の終戦を迎え、帰国を許された俘虜達は、所長の寛大な扱いを感謝し、ベートーベンの「交響曲第九番 歓喜の歌」を演奏した。
この収容所を舞台にしたのが、松平 健主演の映画「バルトの楽園(ガクエン)」である。
収容所の中には、パン屋やレストラン、理容店・写真館・新聞社・郵便局・図書館・ボーリング場、ビリヤード場もあったというから驚く。
また所内には3つのオーケストラの他、いくつかの楽団もあり所内で約100回もの演奏会が開かれたという。
鳴門 ドイツ館では、30分おきに等身大のロボットが第九を演奏してくれる。
収容所を復元したジオラマ
8棟並ぶ横長の建物は長さ約73m、幅7.5mもある大規模な兵舎で、バラッケと呼ばれた。収容所閉鎖後、大陸引揚者用の住宅が建ち、元プロ野球選手、今はタレントの坂東英二さんもここで暮らしていたという。
収容期間中この収容所で亡くなったドイツ人は、たったの11人で、池のヨットで溺れた人が2人含まれるとか。
鳴門ドイツ館は収容所での俘虜の生活を後世に伝え、今のドイツとの国際交流を深める目的でつくられた。
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