震動滝龍王社
震動の滝は、飯田郷 田野村に在り、玖珠川の源なり。九重大船の水、ここに至りて滝となる。
震動の滝には、「雄滝」と「雌滝」がある。
↓雄滝
↓雌滝
↓震動滝龍王社
『震動の滝 竜神伝説』
昔々、この震動の滝には年老いた竜神が住んでいました。
年々、神通力が衰えてきた竜神は、不老長寿の薬として、若い女を食らうことにしました。
釣りに事寄せて、北方部落の、ある里人を招き寄せ、「お前の娘を差し出せ、さもないとお前を食べるまでだ」と迫ったのです。
里人は恐ろしさのあまり、娘を奉げる約束をして逃げ帰りました。
約束を果たさずにおりますと、竜神は怒って神通力で部落の底を抜いて水を干し上がらせてしまいました。
田畑の作物は枯れ、井戸水も無くなり、部落は大干ばつに見舞われました。
さらに竜神は最期の力を振り絞り、断崖をよじ登り、部落に火を吹きはじめました。
この時、娘の恋人は一計を案じ、部落総出で懸命に詫びて、不老長寿の薬として「餅」を捧げて、竜神の怒りを静める事ができました。
この時から、天災や大火の度に部落では餅を滝壺に捧げて、竜神の機嫌をうかがう習わしとなりました。
しかし、老いた竜神には部落の水を元に戻す力はもうありませんでした。
その後、部落の難儀を見かねた日田代官 塩谷 大四朗によって、天保3年、千町無田より水路が設けられ、昔のように稲を作ることができるようになりました。
その水路記念碑が北方部落の白鳥神社境内にあります。
竜神が岩や木をかきむしって、這い登った跡が白鳥神社のそばに残り「竜神崩え」又は「百崩え」と呼ばれて今も里人に恐れられています。
以上 日本の滝選 「震動の滝」より。
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