さかいで昔話し(樽流し)
坂出市観光協会からもらったちょっとユニークなカレンダーを紹介。
坂出の昔話を集めてカレンダーにしたもの。
へぇ~我が町にもこんなにたくさんの昔話があるんだ・・・と、いたく感心。
ブログでも紹介しようと思う。今日はその第1話「樽流し」のお話。
昔々、国と国の境目は、山や川で決めていました。
あの山の向こう側とこちら側とか、川の向こう岸とこちらの岸と言った具合です。
瀬戸内海のような大きな海では、あの島とこちらの島を結ぶ線というように何か大きな目印で決めていました。
さて、讃岐の国と備前岡山の間で境目を決めることになりました。
讃岐国では、ものしり学者がいて、殿さまにそっと耳打ちをしました。
「それは本当か。面白い話だ。備前の国と話をしてみよう」と言う事になりした。
讃岐の殿さまは、「空っぽの樽を海に流して、その樽の流れたところを国境にしよう」と申し入れました。備前の国では「樽の流れで決める。そのような方法は初めてだ。それは面白い。面白い」と、讃岐からの申し入れに賛成しました。
さて、その日がやってきました。二つの国の役人が大勢船に乗って見守る中、空の樽が海に投げ込まれました。
「どーん。どーん。」合図の太鼓が鳴り響きました。いよいよ始まりです。空樽はゆっくり沖へ流れていきます。
海の中にも潮の流れがあるのです。
空樽はこの潮の流れに乗ってどんどん流れだしました。
なんと空樽は、讃岐の国から遠ざかり、備前の海岸近くまで流され、海岸に沿って東へ流れていきました。
「あっ。大変だ。」「海が殆ど讃岐の国のものになってしまう。」
樽の流れは、讃岐と備前の間に横たわる瀬戸の海を殆ど讃岐の国に取り込んで流れました。瀬戸の島々も、その多くが讃岐の国の中にはいってしまいました。
ものしり学者が殿さまに耳打ちしたのは、この事だったのです。
今も、この樽の流れた道筋が、香川県と岡山県の境界線になっています。
・・・ってな話です。本当のような嘘のような???
« 芽が出た | トップページ | 第24回 さかいで塩祭り »
「昔ばなし」カテゴリの記事
- 坂出の昔ばなし(「蛸埼」のいわれ)(2016.04.06)
- さかいでの昔ばなし(与島の妙見さん)(2016.03.01)
- さぬきの昔ばなし(ぜんわん岩)(2016.02.28)
- 坂出の昔ばなし(大師泉)(2016.02.14)
- さぬきの昔話(おろくダヌキ)(2016.01.19)
コメント