さかいで昔話し(天狗の足あと)
飯野山に今でも天狗の足あとのついている大きな岩がてっぺん近くに残っています。
昔々、たいへんな力持ちの天狗が坂出に住んでいました。
ある朝、「毎日毎日ぶらぶらしていると体がなまってしまう。今日はひとつ山でもつくって体を動かすことにしよう。」
こう言って天狗は山がすっぽり入るほどの大きなふご二つと天びん棒を用意して出かけました。
山がふたつほどのふごをかつぐのですから、この天狗さん、とてつもなく大きな天狗さんです。「よっこらしょ。どっこいしょ。」
お日さまが高く上ったころ、天狗はどこから持ってきたのか、大きな二つのふごに山を入れてよろよろしながらもどってきました。
天狗はとっても大きな体ですから、頭が雲の上に出ています。
しかし、山を入れた荷が重すぎるのか、あっちによろよろ、こっちによろよろしています。
「やっと帰った。あ-しんど。」
天狗が天びん棒を肩から放り投げるようにおろしたとたん、うしろのふごから山が転がり落ちました。
「あっー、」と天狗はうしろを振り返りました。その時です。またまた前のふごから山が一つ転がり落ちてしまいました。
「山を置く所を決めていたのに・・・・まっ、ここでもいいか。」
天狗の転がした二つの山が、飯野山と常山です。
天狗はやれやれといって、二つの山に足をかけ、おしっこをしました。
このおしっこが流れて、大束川ができたのだということです。
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