さかいでの昔ばなし(ゆるぎ岩)
ここの公園の入口から見える山は聖通寺山といいます。聖通寺が建てられているところから、聖通寺山と言うのです。
ここは昔、細川氏の領地でした。その頃、国のいたる所で領地の取り合いをしていました。
細川氏は海から敵が攻め込まないよう、聖通寺山に見張りをするためのお城を築くことにしました。
この山の頂上付近に大きな岩がありました。
近くの人々は山に登ってはこの大きな岩を拝んでいました。
「家族みんなが無事でありますように。」
ところが見張りの城を造るためには、頂上にあるこの大岩を除かなければなりません。
それでこの大きな岩を下の方に転がすことにしました。
なにしろ20トンをゆうに超える大きな岩です。大勢の人が何日もかかり、やっと下に転がす事ができました。
ところが、城を造る工事が始まったとたん、毎日、毎日、けが人が出るのです。中には死人も出ました。
その上、聖通寺山のふもとの村々でも稲が枯れたり、野菜や果物、それに漁に出ても小魚一匹獲れなくなったのです。病気もはやり始めました。
人々はいつしか「大岩のたたりじゃ。」
「神さんが怒っておいでじゃ。」と、うわさしました。
人々は相談して、大岩にご馳走を供え、神主さんを呼んで祓いをし、許しを乞いました。
その時です。大岩は「ごとん。」「ごとん。」と音をたててゆるぎました。
「よい、よい。許してつかわそう。」
大岩はこういっているようでした。
この大岩は、ゆるぎ岩といって、今も聖通寺山に残っています。
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