坂出の昔ばなし(大師泉)
理源大師は沙弥島の生まれです。
お父さんもお母さんも京都の高い位の人でしたが、お父さんが罪人とされ、この辺りの島に流されてきました。
しばらくしてお母さんも京都からお父さんの下に来ることになりました。
そのうちに沙弥島で大師が生まれたのです。
何年かたって、お父さんが許されて京都に帰りました。
理源大師は子供の時から頭がよく、その上一生懸命勉強や修行を重ねたものですから、遂にはえらい坊さんになり、京都の醍醐寺を建てました。
若い頃、修行のため、自分の生まれた沙弥島をはじめ、讃岐の国へもやってきました。
讃岐の国は昔から雨が少なく日照りの多いところで水不足に悩んでいました。
そんなある日。理源大師がここ御供所にやってきました。
「理源さま、飲み水が無くて困っております。毎日が死ぬ思いです。」
聞けば、もうひと月も雨が降っておらず、村の井戸という井戸がかれ尽くしているとのこと。村人たちの様子から困っている様子がわかります。
理源大師はお経を唱えたのち、持っている杖で岩を強く叩きました。
するとどうでしょう。水がわき始めました。この井戸は大師泉と呼ばれ、大潮の満潮時には海水がこの井戸に流れ込むのですが、井戸に入った海水はすぐに真水になる不思議な井戸です。
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