さかいでの昔ばなし(与島の妙見さん)
与島の浦城に天津神社があります。この神社はずっと昔、妙見さんと呼ばれていました。
昔、与島に勘助という船乗りがいました。勘助は背が低く体も小さかったので、力仕事ではどうしても仲間達に負けました。
勘助は妙見さんに「どうぞ、私に大力をお与え下さい」と願をかけました。すると妙見さんは
「わしの住んでいる社の石垣が壊れているから、毎日下から石を運んで直してくれ」
「直してくれたら、お前に力を与えてやろう」と勘助に言いました。
勘助はそれから毎日毎日石を一個ずつ海岸から妙見さんに運んでは社の石垣を直していきました。
日が経つうちに勘助は一度に大きな石を二つも三つも持てるようになっていきました。
ある日のこと、
舟の帆柱を抜く作業をみんなですることになりました。舟の中心にある重たい帆柱は何人もの人でないと抜けません。
ところが勘助がいとも簡単にひとりで帆柱を抜いてしまいました。
みんながびっくり仰天したことは言うまでもありません。妙見さんが勘助に力を与えたのでした。
毎日、毎日、海岸から小高い所にある妙見さんに石を運んだので知らず知らずのうちに力持ちになったのかも知れません。
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