ベトナム その30 (水上人形劇)
1月20日はベトナム観光最後の日。
朝からメコン河クルーズへ行き、昼食を食べ、アトは帰るだけ。
フライトが翌21日の0時20分だからまだ時間はたっぷりある。
ガイドのアンさんが提案してくれた、タンロン水上人形劇を見ますか? ・・・と。
えっ! 水上人形劇? 面白そう・・・でも”水上”とは初めて聞くことば。
どんな人形劇なのか興味津々。
調べると、「水上人形劇」とは、千年の歴史を持つベトナムの伝統芸能で、元来、農民たちの間で、農作業の合間に豊作を祈って行われていた地方の娯楽。
水面を舞台にして繰り広げられる人形劇は、劇場では3~5分程度の短編が16話で、約1時間弱の構成。
人形を繰る人は、かなり長い間水中で息止めの演技を強いられる。
劇は夜の8時半から始まると言うので早めに行った。
↓ 劇場入口
↓ 看板
↑ 舞台左右に語り部と楽団部の三人ずつが座っている。
↓ この日のプログラム
タンロン水上人形劇の本場はハノイで、
ホーチミンではなかなか見れなかったらしいが、2007年に専用劇場がオープンし、連日盛況だとか。
ベトナム語による語りと共に水中で繰り広げられる人形のコミカルな動きは、語りが何を言っているのか分からないものの、人形の動きで観客はストーリーに惹き込まれる。
ただ現地人が語りに合わせた動きに爆笑しても、こちらはポカ~んとする場面もある。
↓ 仙女の舞い
この劇、先にも記載した如く、千年もの昔から農民たちが演じていたもので、彼らの生活が基盤となっており、演目のストーリーは民話や習慣.伝説など民族的なもの。
ベトナム伝統楽器の音色も昔風でいい。
水の中でどのように人形を繰っているのかサッパリ分からないが、水上に出た人形の動きを見る限り、水中ではさぞかし激しい動きを息を止めてやっているに違いない。
また、龍が火を吹いたり花火のしかけもあって、水の中で火をどう操っているのかは謎。
こうした人形の繰り方は門外不出とのことで、劇団は村ごとの職能組合で、それぞれ独自の「約束ごと」によって活動し、入団に際しては一座の秘伝を堅く守るという誓いを立てなければならない。
それで現構成員の子供や孫が優先的に受け入れられると言う。
かつて女性は、泥水に長時間浸かり、人形を操ることに体力的に適さないと考えられたことや、人形劇の秘伝が夫の家族へ漏れることも恐れて、女性参加は認められなかったらしい。
伝統的な水上人形劇団は、演劇のために使用する池を所有し、魚の養殖等で活動資金を捻出し、パゴダや寺院の毎年の定期公演を認められるという権利を有している。
ベトナムに伝えられる水上人形劇は、ロイ・ヌオックと言い、一説によると9世紀の中国・宋代にあったという「水傀儡」と同種のもの、あるいはその流れを汲んだものではないかと考えられている。
↓ 劇が終了し、人形使いがご挨拶
劇場は拍手喝采に包まれ、約一時間のショーは終わった。
こうして楽しかったベトナムの旅は終わった。
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