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体の危機管理術とは 豊岡 倫郎 2018.08.25
1.過去を振り返ることも必要
自然健康会の講習会を毎月一回始めてから、かれこれ15年間が経ち、色々な人達とお話を交えて、人それぞれの生活態度を垣間見てきた。人は皆健康で長生きを望んでいるが、そのためには、日常の生活態度がどうあるべきか、今回改めて考え直すことにする。
2.病気の実態を知ろう
★その1.
日本人の平均寿命が年々少しずつ伸び続けていて、男性は81歳、女性は87歳で世界で三位,二位という。しかし介護を受けずに生活できる健康年齢は、男性は72歳、女性は75歳という。これは先進国の中では決して自慢できる数値ではないという。これら高齢者を誰が介護しているのだろうか。年間国民医療費も41兆円を突破し、その負担額もどんどん増えている。
★その2
日本の病人の数を見ると、高血圧症3500万人、糖尿病1000万人、脂質異常症3200万人、脂肪肝3000万人、花粉症2000万人、骨粗しょう症1800万人、変形性膝関節症2500万人、腰痛2800万人、認知症460万人、慢性腎臓病1300万人、夜間頻尿4500万人、便秘症800万人、睡眠トラブル2000万人、気管支ぜんそく1700万人などなど、正に日本は病人列島と化している。
★その3.
子供の成人病である。香川県では2012年から、県内全小学校の4年生を対象に血液検査を実施している。これまでに受診した2万2914人のうち12・6%が肝機能異常、11・1%が脂質代謝異常、10・6%が血糖値異常であった。深刻である。北里大学の調査では、交通事故で亡くなった5歳児以下の54人を病理解剖したところ、42人に動脈硬化があった。誰が子供たちの病気を作っているのだろうか。
★その4.
日本人の死亡原因の一位はガン29%、二位は心疾患15%、三位は肺炎9%、四位は脳血管疾患8%、五位は不慮の事故3%となっている。
3.各人の意識改革で悪化の一途をたどる病人数に歯止めを
何が問題なのだろうか。国が行っている歯止め策は有効なのか。健康で、安心して長寿社会を過ごすことが期待できるのだろうか。国の医療制度や病院の医者たちの診療制度が今後も変わらないとすれば、上述したような現実の悲惨な実態は他山の石ではなく、わが身に迫っていることを認識して、健康問題に取り組む必要性を痛感する。
4.どんな病気にも必ず発症原因がある
病を得て病床に伏して、何で私だけがこんな恐ろしい病気になったのだろうかと、嘆いている人がいるものだ。病気になる人とならない人の差は何だろうか。最近の医者たちは病気の症状は詳しく説明してくれるが、その原因をはっきり説明したがらないようだ。むしろ症状緩和のために、最新の薬を出してくれる。しかしその薬が根本原因を解消してくれるものではないことは、長年服薬している当人は知っているはずだ。そして三年も五年も薬を飲み続けねばならないという姿が続くことに、当人は何も矛盾を感じないのだろうか。これしかないと諦めているのだろうか。これでは病人が減らないのは当然だろう。
5.体の危機管理の必要性
★その一は病気にならないことである。
予防に勝る治療法はないという言葉の通り、生活習慣病と言われる病気はみな何十年もの悪しき間違った生活習慣の集大成である病状を、一服のさじ加減の投薬を受けてもそう簡単に治癒することあり得ない。症状を緩和してくれるだけである。
★その二は病気の原因を追究し知ることである。
主な原因は大きく分けて五つある。栄養のこと、精神のこと、体の歪み、運動不足、化学物質の害である。個々の解説は後にして、日常の生活習慣でこれら五つの事項に如何に配慮すべきか、正しい習慣とは何か、反省すべき、改良点は何か、今一度考えることである。
★無知と誤解の解消が必要である。
無知は死を招くという言葉がある。体のことをよく知らないこと。健康維持のために必要な知識が不足。体に良いと思っていることが、実は間違っていて、逆に健康を害するもとになっている。医者の治療法にもいろいろな見解の違いがあって、意見が分かれている事。医者に掛からずとも、服薬しなくとも健康を回復する療法がいくつもある。特に予防法はわれわれの日常生活の中にあること。これ等の色々な健康情報や知識が不足しているために、いざ何を選択すべきか戸惑う羽目に陥っていること。
★過去の教訓を生かそう。
物心がついてから40年も、50年も生きてくると、いろんな人の生き様、死に様を見聞してきたはずである。そこから多くの教訓を得たはずであるが、それを活かそうとしない心構えはいただけない。こんなことしていてはアカンと気づき、生活態度を軌道修正できる賢さを持つ。
★自分には何が不足しているか、それを知り、積極的に情報を集めること。
大切な命を人任せでは、長生はあり得ない。納得がいくまでとことん探し回る。それに詳しい人を見つけ、話を聞く。諦めない。
★自分で、素人判断はいけない。
少しでも体に異変を感じたら、すぐ病院で診てもらう。今は検査機器が発達しているから、異常を見つけやすい。また毎年一回は市町村の定期健康診断を受ける。いわゆる生活習慣病は痛みも痒みもなく、自覚症状もなく深く静かに進行するから、手遅れにならないことが大事である。
★自分の置かれている立場や状況が解かっていないから、どんどん深みにはまって行く。
こんな言葉がある。人は生きてきたようにしか死ねない、というもの。
★健康生活を維持するには、長期的な視野を持ち、計画を描き、その為には今何をすべきか、修正すべきことを明確に、実行に移すことが大事なのである。
6.長生きできない生活態度10箇条とは
1)大食と栄養の偏り。
2)酒やタバコを飲む。
3)骨格が歪んでいる。
4)精神的にストレスに弱い心を持つ。
5)体を動かさない。すなわち運動不足である。逆に過激な運動や過労ぎみである。
6)便秘や宿便の停滞。
7)甘い砂糖の入った飲み物やお菓子の摂り過ぎ。
8)欧米食の高脂肪、高たんぱくの摂取過剰。
9)活性酸素を大量に発生させている。ストレス、飲酒、大食、便秘、化学物質、過労などが活性酸素を作り出す。
10)性格的に欲張りである。怒りぽい、保守的である、グチをこぼす。理屈っぽい。進取の精神に欠ける。感謝の念に欠ける。物事の本質を知ろうとしない。
7.保健の心得
★自然の摂理に逆らわない。体の摂理即ち自然治癒力、免疫力、ホメオスタシス(生体の恒常性維持機能)を活かし、体を苛めない。
★病気には医者に治してもらう病気と自分で治す病気がある。
★悪事は良事を駆逐する。いくら体に良いことをせっせと実行していても、体に悪いことを止めなければ効果は出ない。
★病気の原因の裏返しが治療法である。悪いことを止めれば、自然治癒力が治してくれる。
★心の安寧を心がけて、生きがいや楽しい趣味をもつ。
★健康法は重点管理が大事である。些末なことよりこ健康を左右している一番大きな要因から解消、解決してゆく。
★対人関係で常にトラブルを起こしている人は健康を維持できない。
★感謝の気持ちを人に対しても、毎日戴く食べ物に対しても抱く。この気持ちがあれば大食したり、酒を過飲して、体を苛めることもできない筈である。
★生きたものは生きたものに養われる、これが生物界の原則である。火食ばかりしていては体の生気が失われてしまう。
★日本人には日本人の体質を作り上げた自然環境がある。身土不二、全体食、穀物中心の魚、穀類、海藻、ゴマと豆類、野菜、果物、味噌や醤油、漬物がある。獣肉、乳製品、たまご、小麦を使ったパン、うどん、パスタ類は主食にしてはいけない。
★いま子供が危ない。その訳は学校給食、親の食育の欠如が上げられる。子供の病気は親の責任である。肝腎のその親たちの生活態度が間違っているから、救いようがない。
★日本全国どこの地方都市でも、一歩郊外へ出れば、お好み焼き屋、肉丼の店、ラーメン屋、焼き肉店、ファミリーレストラン、イタリアンの店が立ち並び、食品スーパーの店内には、天ぷらやフライが大きな面積を使い並べてある。それに負けじとパン売り場も多種多様のパンが売られている。菓子パンは主食にならない。
★化学物質の害は人の体を蝕んでいく。最近週刊誌で複合毒という言葉が使われ出した。いろいろな食品添加物の入ったインスタント食品や加工食品が体内で複合毒となり、体内が汚染されて、予期していなかった害を体に及ぼしているという。食品添加物以外にも、農薬、枯草剤、牛、馬、豚、鶏の飼料に入っている化学物質、抗生物質、工場や自動車の排気物、洗剤が体内に入り込んで、悪さをする。花粉症やアトピー症は都会の人の方が多いのはその影響が大きいせいなのだろうか。
8.間違った健康常識の数々
★肉を食べるとスタミナが付く。
★砂糖の入ったお菓子が疲れを取ってくれる。
★朝ご飯はしっかり食べよう。
★牛乳を飲んで、骨粗鬆症を予防し、骨を強くしょう。
★高栄養食品を摂れば、病気にならず、病気も早く治る。
★ヨーグルトを飲めば、便秘や腸内環境が良くなる。
★コラーゲンを摂れば、肌がきれいになる。
★アルカリイオン水は体に良い。
9.まとめ
1)低体温の人が増えてきたという。体温が一度下がると免疫力が30%低下するという。何故低体温になったのだろうか。その理由が解かる人が何人いるだろうか。
2)大食して、宿便を溜め、便秘すれば、そして高脂肪、高たんぱくの食事をし、冷たい飲み物を飲み、甘い糖分の多いお菓子やアイスクリームを摂取して、腸内環境を最悪の状態にしていても、何ら体の危機感を覚えないという慢心した輩が多いのは気にかかる。
3)外食に依存しない生活をする。家庭で手間がかかっても食品添加物の入っていない手料理が健康維持の基本である。油にまみれた外食、食品添加物だらけのインスタント食品や加工品、菓子パン、ハムやソーセージは避けたい。
4)肉類の脂肪分は体内で活性酸素によって、過酸化脂質になり動脈硬化を、更に腸内で胆汁酸によって発ガン物質を発生させる。更に活性酸素は遺伝子を傷つけて、がん細胞を作り出す。
5)加齢と共に、体力は落ち、外観を見ても、体の各部に老化現象を見て取れる。アンチエージングという抗加齢対策に必要なことは何か。
★少食にして、食べる品々も吟味して、日本古来の伝統食が良い。これにプラスしたいのは生野菜ジュースである。野生の哺乳動物は火食しないから天寿を全うできるのである。酵素が豊富な生野菜は必須である。大食は体内酵素を払底させてしまう。
★少食にすれば便秘も宿便も解消できる。肌が汚い人は長生きできない。腸が汚れているからである。腸の汚れは免疫力を低下させる。
★体を動かそうとしないナマケモノは長生きできない。人間も動物であり、体を動かさないと、どんどん組織は衰退してゆく。ボケて、歩けなくなる。
★物事全てに感謝して、明るくニコニコして過ごす。大食したり、酒を喰らって、体を苛めてはいけない。牛飲馬食が命取りになることは、百も承知しているが、俺だけは別だと思いあがっている人がいないだろうか。
★甘いものは毛細血管を消滅させてしまう。いわゆるゴースト血管になる。甘いものの怖さを知らない人が多い。
6)体が弱かった私は35歳の時に大阪八尾市の甲田光雄博士に診てもらって、その指導に従って健康法を始めた。この運命の出会いが自然健康法に目覚めさせて、いまの80歳まで導いてくれた。今の私には色々な健康情報を多くの方にお知らせすることが私のひとつの役目だと思い、これからも続けていく所存です。何故なら今の人達には長寿を全うするための健康知識が偏ったり、不足している事が、前述したような諸々の病気を蔓延させているからである。
7)イギリスの諺にこんなのがある。「馬を水辺まで、連れてゆく事はできるが、水を飲ますことはできない」というもの。
You can take a horse to the water,but you can’t make him drink.
おわり
鳥羽といえば演歌歌手の鳥羽一郎が頭に浮かぶ。
その鳥羽に行って来た。大阪から近鉄特急に乗って。
JRだと名古屋まで行って、引き返すルートしかない。大阪から直行は近鉄だけ。
二時間強で着く。
駅前に道路を跨ぐ大きな鳥居が見えた。
どこの神社かと思いきや、何とその標識に「金刀比羅神社」と書いてある。
へぇ~ここにも金比羅さんがあるとは・・・嬉しい。
三重県を改めて地図で確認したら、何と六つの県と接している。
和歌山、奈良、京都、滋賀、岐阜、愛知の各県・・・これって凄くなぃ~?
駅前に癒しの海が広がる。
駅周辺の一番手近な観光は、鳥羽湾めぐりの船に乗って島々の景色を堪能する事。
船に乗るのが好きな私にはピッタリ。
「真珠島・水族館前」の乗り場から”三つ島”、”イルカ島”、”弁天島”をめぐって戻ってくるルート。
所要時間は約50分。
遊覧船は何隻かあるらしいが、その中で浦島太郎の物語をモチーフにした”竜宮船”が一番ユニーク。
↓ 船内の各デッキに物語のストーリオブジェがあって、
最上階には結末のシーン ↓
乙姫様と向き合う構図は、分かっちゃいるが人生の儚さに満ちて悲しい。
秀吉が
「露と落ち 露と消えにし我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢」と同じ心境かなぁ~。
↓ 三つ島
イルカ島で乗船客はほとんど降りて、船内はガラガラになった。
この島巡り観光船に乗るのはイルカ島へ行く目的の人がほとんど、
島巡りの景色を堪能するのは老人ばかりか?
鳥羽へ行った。
伊勢へは何回か行ったが伊勢神宮への参拝が優先で鳥羽は初めて。
最近、やたら海が恋しい。 海を見ると心が和む。
そんな海にミキモト真珠島はある。
1893年、当時、相島 (おじま) と呼ばれていた島で、御木本幸吉が真珠養殖に成功した島。
その後彼がこの島を買い取って、ミキモト真珠島として観光地にしたという。
すぐ近くにある鳥羽水族館はこの真珠島の存在が開館のきっかけになったと言う。
↓ 真珠島 全体図 パールブリッジにて陸続きにしている。
↓ 陸側入口
御木本幸吉の名は、真珠養殖で学校の教科書で学んだ記憶がある。
改めて調べてみると、
御木本幸吉は1858年(安政5年)1月25日、志摩国鳥羽町に誕生した。
伊勢志摩の海で天然真珠を採るため乱獲され減少していたアコヤ貝の保護と増殖を手がけ、さらには真珠の養殖を決意、
相次ぐ赤潮の被害や資金難を乗り越え、1893年(明治26年)ここ鳥羽の地で世界で初めて半円真珠の養殖に成功した。
それまでの真珠は、天然の真珠母貝から採取されるケシと呼ばれる真珠が大部分で、採取も不確かなものでしたが、幸吉は母貝であるアコヤ貝そのものの養殖から始め、人為的に真珠をつくり出せるようにした。
その後、1905年(明治38年)には真円真珠の養殖に成功し、黒蝶真珠や白蝶真珠の養殖にも取り組んだ。
島内には、御木本幸吉記念館に彼の生涯が分かる展示、
真珠博物館には、真珠のできる仕組みや養殖過程を紹介する施設があった。
丁度、海女たちが昔ながらの白い磯着姿で作業するショーがあると言うので見に行った。
要は、海に潜ってアコヤ貝を採ってくるという作業。
まぁ正直、私には感動のない見世物だった。
島内に珠宮という神社がある。
この社は、相島弁天社とも言われ、その昔、このやしろの神と鳥羽城跡にある大山祗神社の神は夫婦の間柄にあり、夜な夜な姿を白い竜蛇と化し、海を渡り相通われたと語り継がれている。
明治40年大山祗神社に合祀されたが、戦後、御木本幸吉の篤い信仰心により「珠の宮」として、由緒深いこの地に再建された。
縁結びをはじめ、幸運・繁栄・知恵にも恵まれる女神として信仰されている。
又、延命長寿にもご利益があるとされ、信仰心の篤い御木本幸吉も九十六歳の天寿を全うした。
やっぱり神様がどこにでもおられる。
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