飴買い幽霊と赤ん坊
今治城下の「言い伝え」が城内の展示室にあった。
読むと大変悲しい話しで、今時 親が自分の子供を殺すのと大違い!
自分の身は犠牲にしてでも子供の生末を案ずる母親の気持ちは、時代がいかに変わろうとも動物も含め全人類共通の思ひではないでしょうか。
ほんと! 涙が出そうになったのでご紹介します。
『 飴買い幽霊と赤ん坊 』
今からおよそ300年前の江戸時代中頃のお話。
ある寒い夜更けの今治城下、旭町の飴屋の惣兵衛さん方へ白い着物の女が音もなく入って来ました。
女は一文銭を差し出しながら飴を指さしました。
惣兵衛さんが飴を渡すと女はすうーと消えるように出ていきました。
次の日も女はあらわれ同じように飴を買って帰りました。
そんなことが六晩続いた七日目の夜、女の手には一文銭がありませんでした。
ただ黙って何か言いたげな女を可哀そうに思った惣兵衛さんは、いつもより多く飴を渡しました。
女は嬉しそうに微笑むと、しきみ(しきび)の葉を一枚置いて帰っていきました。
いつもと様子が違うので、惣兵衛さんは気になって女の後をつけました。
すると女は明積寺(今治市鳥生)の境内でふっと消えました。
惣兵衛さんが耳をすますと、新しいお墓の下から赤ん坊の泣き声が聞こえてきます。
惣兵衛さんは和尚を呼んで墓を掘り起こしてみると、一週間前に身ごもったまま死んだ若い母親のそばで、飴を持った赤ん坊が泣いていました。
女の首にかけられた六文銭がなくなっており、人々は母親の愛情の深さに感心しました。
その赤ん坊は明積寺の和尚によって育てられ、学信和尚という今治を代表する名僧になったという言い伝えが残されている。
« 浮世酒中逃 | トップページ | ダイヤモンド・プリンセス »
「旅に出よ」カテゴリの記事
- シギラ黄金温泉(2023.11.21)
- パチャの石段(2023.11.21)
- 宮古島 経由 来間島へ(2023.10.31)
- 奄美空港(2023.05.02)
コメント