10番札所 切幡寺
■ 場所 徳島県阿波市市場町切幡字観音129
■ 開基:弘法大師
■ 本尊:千手観音
↓ 入口
↓ 山門
■ 由来
弘仁年間、弘法大師が四国を巡業中この山麓で機織りの信心深い乙女から七日間の施しを受け、お別れの日に大師が布を乞うたところ織っていた布を惜しげもなく切って差し出したという故事から”切幡寺”の名がついた。
大師はこの乙女の信心深さにうたれ、彼女の願いどおり千手観音の像を刻み、時の天皇・嵯峨天皇に奏請して本堂を経て、この像を安置した。
その時、乙女の願いにより得度させ(仏門に入る事)灌頂を授けたところ、乙女は千手観音の姿になったといわれ、大師が刻んだ千手観音像とともに女即身成仏の乙女が秘仏として安置された。
それで寺号とともに山号を得度灌頂院と院号を称している。
本堂より一段高い北方の山腹に建つ大塔は、徳川二代将軍・秀忠が堺に建立したものを明治6年ここに移転した、国指定重要文化財。
それがこれ ↓
この大塔は家康の勧めにより豊臣秀頼(茶々の第二子)が秀吉の増進菩提のため慶長12年(1607年)大阪・住吉大社神宮寺に建立したもの。
明治初頭この寺が神仏判然令により廃寺となったため明治6年(1874年)に当山第45世住職・天祐上人がこの塔を買い受け解体移築したが天祐上人の時代には初重部のみ仕上がり、続いて智堪上人が二重部を仕上げ完成に十年を費やした。
この塔の特徴は五間四面にして初重と二重との間が方形をなす。
今日この形式の遺構は本邦唯一であり国指定重要文化財たる所以。高さは24.168mある。
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