1. ラクナ梗塞の「ラクナ」とは、ラテン語で「小さなくぼみ」という意味で脳の深い場所に発生する直径15mm以下の小さな脳梗塞のことである。脳の奥には、太い血管から枝分かれした穿通枝(せんつうし)と呼ばれる細い血管がある。この穿通枝の先が詰まるのがラクナ梗塞である。脳の太い血管が詰まる脳梗塞の場合は、脳の神経細胞が広範囲にダメージを受けるため、体のまひや言語障害などさまざまな症状が現れる。ラクナ梗塞は、ダメージを受ける部分が小さいので症状が現れないことが多く、無症候性脳梗塞とか、隠れ脳梗塞とも呼ばれている。そのため、ラクナ梗塞が起こっていても、気づかないことがよくある。ただし、症状がなくても安心はできない。放っておくと、本格的な脳梗塞や脳出血を発症したり、認知症になるリスクが高くなる。
2.隠れ脳梗塞の割合
40歳代が約5%,50歳代約12%,60歳代約25%、70歳代は約30%にみられる。から珍しい病気ではない。
ラクナ脳梗塞は、他人ごとではない。下記のような症状が見られたら直ちに病院でMRI検査を受ける。MRIとは磁気共鳴画像の略称で、非常に強い磁石と電磁波を利用し、人体を任意の断面(縦・横・斜め)で画像表示することができる検査法である。下記画像を参照。 ...
●体の片側がうまく動かせない、歩けない。動作が鈍くなった。
●ろれつが回らないことがある。
●見え方がおかしい。
●耳の聞こえが悪くなった。
●ご飯をよくこぼす。むせることがある。
●便秘気味、頻尿、切迫性尿意など急に現れる。
●いままで血圧が高くなかったが、急に高くなった。
●急に気分が悪くなる時があるが、我慢するとスーッと消えて行く。これは一過性脳虚血発作(TIA)と
言われるものである。これらの症状は侵された部位によって症状が異なるが、出たら直ぐ病院に行き、
ためらわずにMRI検査を受ける。一目瞭然で診断し直ちに治療に入る。早い方が治療効果が上がる。
ラクナ梗塞(MRI画像) ラクナ梗塞(図解) クリックすると大きくなります。
3.発症原因
高血圧、動脈硬化、頚椎の異常による血流の滞り、高血圧、肥満、運動不足、水分不足、宿便停滞による脳神経異常、肉や脂,糖分の過食によるアテローム脂肪が血管内壁付着、飲酒、喫煙、塩分過剰が考えられる。
また二型糖尿病、慢性腎臓病の人はラクナ梗塞になっていても無症状なことが多いので油断は禁物。
4.治療法
発症から4~5時間以内ならばt-PAという血栓を溶かす薬を使う。それを過ぎると抗血栓薬と脳保護薬が使われる。後はリハビリをする。血液サラサラにする薬の服用、水分一日に1.5~2L補給、減塩食、発症の原因と考えられる悪い生活習慣の改善に徹することである。
5.脳梗塞を起こして半身マヒが起こる原因
右半身マヒになる人・・・体の左側の下行結腸に宿便が停滞しておりその影響で左側の脳血管に障害が起こる。
反対に左半身にマヒが起こる人・・・右側の上行結腸に宿便があり、右側の脳血管に障害が起こる場合が多い。
何故なら脳神経は首の所で左右交差しており脳の左がやられると体の右に障害が起きる。
6.宿便が何故溜まるか。
宿便とは何か・・・大食して腸の処理能力を超えて食べた結果渋滞した残り便。処理能力を超えて食べ続けると、腸が伸びて垂れ下がり、次に横に広がり、すると安定が悪いから、あちこちへばりついて、癒着する。癒着したところは変形したり、細くなり、捻じれたりする。そこに食べ物の残りカスが引っ掛かり、風船玉のように膨らんで直径が二倍になると、腸壁の厚さが3分の1にまで薄くなってしまう。すると蠕動運動が起こりにくいので腸マヒになり宿便滞留になる。
7.脳梗塞と宿便の関係
宿便が溜まると脳の血管が膨張して、脳の血管を圧迫して、血管運動神経をマヒするので、脳の血液循環が悪くなる。宿便停滞による活性酸素発生が血管の動脈硬化を促進することと相まって、梗塞になる。
8.宿便論争とは
現代医学の医者は宿便はないというが、果たして本当だろうか。腸のファイバースコープで検査しても宿便はないという。ところが甲田光雄博士は過去に2万人の臨床体験から、断食によって宿便の排泄を確認している。甲田博士の多くの出版本に書かれている。体験者の話もある。写真もある。命に係わるこの宿便論争はなぜ解決をみないのだろうか。現代医学の盲点である。
9.甲田博士の治療法
●断食によって宿便を排泄する。
●緩下剤のスイマグ(水酸化マグネシュウム剤)飲用。
●木枕をして頚椎を正す.
●水部補給
一日に1~1.5 L摂る。但し食後3時間以内は飲まない事。消化不良、体内にむくみとなるから要注意。
その後はちびりちびりと30分毎に30CC飲む。
●生野菜ジュース、玄米食、食物繊維の少食。肉類、脂、糖分は不可。減塩食。ルイボステイー飲用、
抗酸化食品摂取。
●適度の運動。散歩、西式健康法の毛管運動。左右搖振運動。金魚運動。
10.如何にして、梗塞の元凶の動脈硬化を解消させるのか。有力説を紹介すると、
●甲田光雄博士の断食による宿便排泄と活性酸素の害を防ぎ、動脈硬化を自己融解させる。
●廣海輝明、血流障害研究会によるSOD様エキスで血流障害解消。著書「車椅子の脳梗塞患者」
現代書林刊、参照。活性酸素による過酸化脂質が梗塞の原因と見る。
●真島康雄(久留米市真島クリニック院長)著「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因」幻冬舎刊
による説は食事から摂る超微粒子の脂肪の粒が原因。RAP食によって、デプラークを減らす。
9年間の8ヵ所血管エコー検査による臨床経験で実証。
11.まとめ
1)一度脳梗塞を患った人は、必ず再発することを覚悟しなければならない。動脈硬化を解消されない限りは素因は残る。
また血管性認知症になり易いことも覚悟しなければならない。
2)60歳になったら無症状の人もぜひ一度はMRI 検査を受けた方が良い。
3)閾値(いきち)という言葉がある。脳の働きは、脳細胞が5割障害を受けていても、症状が出ない事がある。
ところが6割になったとたんに、重大な症状か突然出ることがある。この限界値を閾値(機能的限界)という。
普段から酒は美味いし、食欲もあるし、どこも痛くも、痒くもないないと、慢心していると、病魔は深く、
静かに体内で動脈硬化が進行している。
4)脂漬け、砂糖漬け、アルコール漬けがいけない。テレビでは相変わらず、やれグルメだ、スイーツだと浮かれているが、
冷静に周りを見渡して欲しい。ここ2年連続日本人の平均寿命年齢が低下している。また子供の動脈硬化が進んでいる。
5)動脈硬化のもととなっている活性酸素の害については次回触れることにしたい。
おわり
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