第66番雲辺寺 その2 らかん様
雲辺寺の境内に五百羅漢が並んでいる。
元駒澤大学総長の奈良康明氏によると、
羅漢様。らかん様。ラカンサン。羅漢さんという言葉は私たちに親しい。子供の頃からなじんでいて
郷愁にもにた響きがある。日本中何処へ行っても羅漢さんはいらっしゃる。五百羅漢さんは「野の仏」然
として並んでいるし、十六羅漢さんは彫刻や絵画、襖絵などに姿を見せている。
羅漢さんの表情は千差万別である。彫刻した石工たちが自分の知り合いの人をイメージして彫った
のではないかという。庶民的な顔ばかりである。この点沈潜と静まりかえった表情の下に限りない
知恵と慈悲を秘めた仏・菩薩像とは雰囲気ががらりと変わっている。目を見開いたり細めたり、
口を大きく開けて哄笑したり皮肉な笑いをたたえていたり哀しげな表情を見せるかと思うと
刺すような目つきで私たちを眺めたりしている、自由奔放な羅漢さんの表情の中に、しかし、
共通なものがひとつある。眼だ。さまざまな表情の中に眼だけはしっかりと私たちの心を見ている。
喜怒哀楽の表情の中に私達人間の性をを見抜きその愚かさを嘆き、悲しんでいる眼がある。
いや人間の悲しさと愚かさを知り、しっかりと生きていけと言わんがためにこそ、私たちの心を
映した表情を見せている、と言う方が正しいのかも知れない。そう。それもその筈なので
羅漢さんとは仏法を守護し、私たちを救ってくれる聖者なのである。
羅漢さんのお顔を見るに皆男ばかり、何故女性はいないのか?
男尊女卑の時代につくられた石仏なのでそうなってしまったのか?
↑ 大師乳銀杏
昔、乳の出ないお母さんのために弘法大師が銀杏の木を植え、乳が出るようお祈りをし、木の幹を削り
煎じて飲むと乳がでるようになったそうです。雲辺寺の三大巨木のひとつ。
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