第126回 ぴんぴん会句会ノート 8月
兼題:「ふるさと」と自由で三句 令和6年8月29日
■ 秀 弥
食べながら帰省子に聞く暮らし向き
土産物選ぶうれしき帰省かな
古き日の写真に見入る帰省かな
蝉しぐれ遠きふるさと偲ぶなり
亡き祖母の帰省子を待つ握り寿司
■ 金 博
故郷(ふるさと)のにおいもてくる青田風
下車一人つばめ飛びくる無人駅
子六人親父の一声西瓜切る
白山と手取と青田わが故郷
太き梁孫にも見せん我が故郷
白山を見上げる青田故郷あり
暑き夏シルバーカーの幼な友
■ 延 一
ふるさとは山は大川川は土器まで
怠惰にてふるさとに住む鯰かな
ふるさとの念仏踊り効果なし
何もかも暑さのためと言い逃れ
■ 道 子
星流るははの生家のあたりかな
能登の人の横貌愛〈かなし〉鰯雲
ふるさとの月よしみじみ吾独り
■ 幸 利
ふるさとの朝爽やかに風緩む
ふるさとや年老いて思う古き友
風薫るふるさと匂う便りかな
■ 才 原
孫連れて鬼洞窟で涼をとり
やり残し毎回悔やむ帰省かな
夏の空雲七変化ものかたり
■ 前 田
ふるさとの蝉の喧騒懐かしく
うさぎ追うふる里消えるも蝉の声
孫台風去りて寂寥置いていく
ツクツクと羽を絞って夏惜しむ
ふるさとの蝉の喧騒懐かしく
蝉の声遠き故郷蘇る
蝉の声遠きふるさと懐かしく
古里の歌詞に書かれた景色消え
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