免疫力を上げて病気予防 By 豊岡 倫郎 氏 2024年12月25日
1.今こそ免疫力をUP
インフルエンザが猛威を振るっている。
高齢者は下図の通り、免疫力が低下している。
若い人に比べ三分の一に低下しているので、極力留意しなければ
ならない。
風邪、ガン、アレルギー疾患、リュウマチになるのも、皆この
免疫力が関係している。何故こんなに免疫力が低下したのだろうか。
今回は免疫について再考してみる。
2.免疫とは
人体には外部から侵入する有害な細学物質などの有害物質 及び
体内で発生するがん細胞や腸の腐敗便からでる異質な有害物質など
の異物から身を守る防御システムが備わっている。これを免疫と
呼んでいる。
3.日本人の死因
直近の死因の病気別の順位は下の通り。
1位:悪性新生物(24.3%)
2位:心疾患(14.7%)
3位:老衰(12.1%)
4位:脳血管疾患(6.6%)
5位:肺炎(4.8%)
6位:誤嚥性肺炎(3.8%)
7位:不慮の事故(2.8%)
8位:新型コロナウイルス感染症(2.4%)
9位:腎不全(1.9%)
10位:アルツハイマー病(1.6%)
11位:その他(25.0%)
4.がん死亡者数(2022年)と男女別部位の順位
厚生労働省が公表した「2022年のがん(悪性新生物〈腫瘍〉)
による死亡者数は合計 385,797人(男性が22万3,291人、
女性が16万2,506人)だった。
部位別でみると、男性は肺がん、大腸がん、胃がん、すい臓がん、
肝臓がんの順に多く、女性は大腸がん、肺がん、すい臓がん、
乳がん、胃がんの順となっている。
時代の変化と共に部位別は変わってきた。昔は胃がんが多かった
が、今は大腸がんが増えてきた。何故だろうか。
なお女性に肺がんが多いのは、大腸がんと肺がんには相関関係が
あるという。
5.免疫力の主役は白血球
体の中には縦横に張り巡らせた免疫システムがあり、その主役は
血液の白血球である。白血球の成分は、マクロファージ5%、
顆粒球60%、リンパ球35%で構成されている。これらを免疫細胞
と呼んでいるが、その役割は、マクロファージは大きな異物を処理
したり、細胞から出た老廃物を片づけたり、更にサイトカインという
生理活性化物質を産生して、免疫細胞間のコントロールをしている。
顆粒球には好中球、好酸球、好塩球の3種があるが、好中球は細菌
や死んだ細胞の死骸などの大きな異物を食べて処理したり、体内に
炎症が起きると、腫瘍細胞を攻撃する。またリンパ球の中味は、
NK細胞、NKT細胞、B細胞、T細胞から成っていて、ウイルス
などの微小な異物やガン細胞を攻撃する働きを持っていて、これら
免疫細胞が連携を取りながら、抗体作り、内外の有害物質や異物、
即ち抗原と四六時中日夜闘っている。
4.腸の仕組み
まず腸の仕組みを見ると、口から入った食べ物は、食堂、胃、
十二指腸を経由して、小腸の空腸、回腸を経て、大腸の盲腸、
上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸を経て肛門に至る。
その間食べ物は肛門から排泄されるまでの時間は24~72時間
かかる。また腸の長さは小腸は6~8m、大腸は約1.5mで、
腸全体の表面積は32㎡で畳20畳の広さに相当する。
小腸の内部は細かいヒダ状になっていて、ヒダの内側には絨毛と
言う突起があり、絨毛は更に、微絨毛という突起でびっしり覆われ
ていて、そこで食べ物の栄養素が吸収される。また大腸は小腸で
吸収されなかった消化物の残滓を腸内細菌によって、発酵させて
一部の栄養素を取り込み、水分を吸収して、便を作り肛門へ送り出す。
腸内の粘膜に生息するいわゆる腸内細菌の数は100兆個、
1000種類に及ぶ。
総重量は約1.5~2kgもある。内訳は善玉菌2割、悪玉菌1割、
日和見菌7割が理想的という。尚日和見菌とは、数が優勢な方に
味方する菌である。この三者のバランスが何らかの原因で崩れたら、
腸内環境が悪くなり、健康上の問題が起きるのである。
5.免疫力と腸内環境の関係
最近腸内細菌の研究が進み、免疫システムの約7割は腸が担って
いることである。
免疫細胞の5割が小腸に、2割が大腸に存在する。小腸の内壁に
ある絨毛の所に「バイエル版」に免疫細胞が集まって、役割を
はたしている。
6.有用な腸内細菌を育てるには
1)江田クリニック院長の江田 証 著「長生きのための新しい
腸活」2024年3月新星出版社発行によると
日々の食べ物によって、腸内細菌が変わる。
そこで善玉菌を育てるには
●発酵食品のヨーグルト、味噌、納豆。
●水溶性食物繊維、海藻、野菜の根菜類、豆。
●オリゴ糖を増やすバナナ、豆類、玉ねぎ。
●EPA,DHAを含む青魚、サケ、アマニ油。
を摂る。
2)特に免疫力を上げると云われる酪酸菌を増やす食材は、
ぬかずけ、海藻類、豆製品、玄米など穀類、キノコ類、
大根、ゴボウ、ニンジン、バナナ、りんご、キウイなどで
あるという。
7.腸内環境を悪化させるものを止める事が最優先事項。
● 甘い砂糖類は悪玉菌のエサ。
●肉類に含まれる動物性脂肪を摂りすぎると、胆汁酸が多く分泌され、
それが大腸に行くと、二次胆汁酸に変化して、大腸の細胞を傷つけて、
発ガン性を増加して、大腸がんのリスクを高める。
●動物性タンパク質の大量摂取は、消化しきれなかった時は、
悪玉菌を増やし、アンモニア、フェノール、インドール、
スカトール、アミン類、硫化水素の有害物質を生成する。
●砂糖とタンパク質は体内で終末糖化産物(AGE)となり、
体調不良、老化を促進する。●大食と揚げ物、油で処理した天ぷら、
揚げ物、油いため。
●ストレス、
●便秘、
●睡眠不足、
●活性酸素の発生する行為。
例えば、飲酒、過激な運動、ストレス、服薬、食品添加物、
宿便と便秘、紫外線にあたる。自律神経の交感神経と副交感
神経がアンバランス。
●トランス脂肪酸、ショートニング摂取。
8・まとめ
1)健康管理に無神経な人、無関心の人には、「無知は死を招く」
と言う言葉どおり、墓穴を掘る。問題意識を持たない人には、
どんな良い話を聴こうと、文章を読んでも、スルーして、
出会いとはならない。
2)管理手法には重点管理がポイントである。上述のガン死者数
の多いものを重点的に減らすには、人々は肉食と砂糖の害に
気が付き控える事である。さもないとガンは減らない。
3)最大の問題点は、現代医学は食事療法を採用しない事である。
予防に力を入れない事である。
今後益々ガン患者は増加するだろう。皆さんはどう思いますか。
「明日は我が身」にならぬことを祈るばかりです。
予防するにはどうすればよいか今一度、考えよう。
4)体に良い事を実行しても、悪いことを止めない限り病人は
減らないだろう。
おわり
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