Jou光

  • 親父
    彼は子供の時から絵が上手いと、親の欲目で思っている。目の前でさらさら描かれると、ついつい感嘆してしまう。世の中いっぱい絵の上手い人はいるが、この道で飯が食えるのはスポーツ選手と同じで極一部。でもとにかく趣味でも良いから絵を描くことは続けて欲しいと願っている。

春爛漫

  • ぼけの花
    柿茶の里は徳島県美馬郡つるぎ町に位置する。柿の葉の生産農家へ毎年春と秋に行く。春はことさら美しい。桜が咲き乱れ山の木々が新緑に包まれる。澄んだ青空に身も心も洗われる気がする。

アユタヤ遺跡

  • Pict0266
    1491年に建てられた王族の守護寺院。3つの大きな仏塔には、ラーマティボディ2世と父、兄の遺骨が納められています。 寺院ではありますが僧は居住せず、王の礼拝堂として王族の儀式に使用されていました。この寺院もまた、1767年ビルマ軍により破壊され、16mあったという金で覆われた仏像も金を奪われた後、壊されてしまいました。

暁の寺院 タイ

  • Pict0350
    トンブリ王朝時代の守護寺で最高位の寺院とか。きらきらと輝く陶器の破片に覆われた高さ約79mの大仏塔は、ラマ3世により5年がかりで改装された。朝日を浴びた大仏塔の神々しい姿が”暁の寺”の名前の由来。

ワット・ヤイ・チャイ・モンコン

  • Pict0201
    セイロンへの留学から戻ってきた僧侶のために、1357年初代王ウー・トーンが建立しました。仏教寺院は瞑想の場として使用されていました。現在も多くの仏教徒が訪れ、週末は観光客でにぎわいます。

水上マーケット

  • Pict0116
    ダムナン・サダックの水上マーケット。その昔、”東洋のベニス”と言われたバンコクでは、日常的商取引には運河が利用されてきた。水上マーケットは、古き良き時代の情緒溢れるバンコクの生活を体感させてくれる。 

2008年7月 タイ王宮

  • Pict0429
    白壁に囲まれた20万㎡の敷地内には、1782年に建設された国王の宮殿、即位式の建物、王室守護寺院のエメラルド仏寺院などチャクリー王朝歴代の王により建造・改築された建物が建ち並んでおり、ラマ8世までは実際にここに住まわてていたとか。

涅槃寺

  • Pict0386
    タイ語で Wat Pho(ワット・ポー)と呼ぶこの寺は、ラマ1世が建立したバンコク最大の境内を持ち、バンコク最古の歴史を持つ寺院。本堂には写真のようなリクライニング・ブッダの愛称で親しまれている寝釈迦仏が横たわる。足の裏には螺細細工でバラモン教における108の宇宙観が表現されていると言う。

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健康情報 By 豊岡倫郎氏

1億総半病人列島の行方は By 豊岡倫郎 2025年6月11日

1. 生活習慣病大国日本の行方は

現在日本には肥満が3,400万人、高血圧4,000万人、脂質異常症2,400万人、糖尿病2,200万人、骨粗鬆症1,000万人、高尿酸症600万人居ると云われている。

現代医学が進歩していると云われているが、病人は減らない。どうしてだろうか。医者の投薬だけでは対処療法では治らないからである。

2. アメリカのマクガバンレポートとは

1970年代、心筋梗塞やガン、脳梗塞、肥満などの生活習慣病が多かったアメリカでは、1975年 上院に「栄養改善委員会」が設けられ、医学者に「全世界の栄養状態と病気の状態」を調べさせた。2年後に、5,000ページにも及ぶ調査報告書が出されたが、その冒頭に「アメリカの反省」が載っている。

20250616-125615

これを見たマクガバン上院議員が「我われはバカだった。我われは造病食、殺人食を食べていた」と涙ながらに上院で演説したという話は有名である。

その主旨を要約すると、以下のようになる。

1. 1日のエネルギー摂取量の55~60%を炭水化物にする
2. 1日のエネルギー摂取量の30%まで、脂肪摂取を減らす
3. 飽和脂肪酸(バター、ラードなど動物の脂)と不飽和脂肪酸(魚油、植物油などの油)
    の摂取量の比率を同等にする
4. コレステロールの摂取量を1日30mgまでに減らす
5. 砂糖の摂取量を40%減らす
6. 塩の摂取量を1日3gまでに減らす

そして、以下のようにまとめている。

具体的には、くだもの、野菜、未精白の穀物、鶏肉、魚、スキムミルク、植物油の摂取を増やし、牛乳、肉、卵、バター、砂糖・塩・脂肪の多い食物の摂取を減らすことによって、この目標は達成されなければならない……。

以来国を挙げてベジタリアン運動やノースモーキング運動、更に1990年代には国立ガン協会が「デザイナー・フーズ計画」を公表してガン予防に効果的な「食品ピラミツド図」を作成し啓蒙活動を開始した。
1991年には対ガン協会が「一日5皿以上の野菜を摂ろう運動を展開した。因みにこれは野菜350グラム、果物200グラムに相当。加えて病気予防と健康保持のための9項目を具体的に提示した。

その結果、2011年には1977年に比べて心筋梗塞による死亡数が58%、ガンによる死亡数が17%も減少した。先進国のG7加盟国としては、唯一ガン死亡者が減っている国となったのである。

3. 日本の現状

年間ガン発症者数は945千人、ガン死亡者数382千人と言う。また2024年死亡原因を見ると、

1位ガン24%、2位心疾患15%、3位老衰12%、4位脳血管疾患7%となっている。

4. 沖縄クライシスとは

沖縄は長い間、世界に冠たる長寿の島として知られていた。それが厚生労働省の調査によると、沖縄県の男性の平均寿命は県別で1985年に1位、1995年に4位だった。それが、2000年には26位に転落した。一方女性は1985~20005年まで1位を維持していたが、2010年には3位に転落。

男性も2010年には30位となってしまった。

この長寿を誇った県が凋落したことを、医学・栄養学関係者は「沖縄クライシス」と呼び、原因究明に乗り出した。

その原因として揚げられたのは、戦後アメリカの占領下となった沖縄は、アメリカ軍の食べ物がハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、コンビーフといった肉食だった。それにファーストフード店がオープンして甘い飲料水がそれに加わった。いわゆる高カロリー、高栄養の食べ物に若者たちが飛びついた結果だったのである。正に高脂質化とAGEs(終末糖化産物)まみれの体を作り上げてしまったのである。

5. 長寿村の逆さ仏の話

もうひとつ教訓的な話をすると、かって日本の長寿村として有名だった山梨県棡原(ゆずりはら)地区に起こった異変、即ち「逆さ仏」である。逆さ仏とは親が子の葬式を出す現象をいう。

棡原(ゆずりはら)地区は鶴川の河岸段丘に発達した交通の不便な山の斜面に沿うて、家が点々とある所で、昔から米が摂れず麦を中心にアワ、キビ、ヒエ、トウモロコシ、小豆、大豆、ソバ,等の雑穀とバレイショ、里芋、甘藷、山芋、と豊富な野菜、山菜中心で、それに保存食として昆布、ワカメ、ヒジキを食べていた。正に身土不二の食生活であった。

ところが昭和30年ごろに待望のバスが開通した。若者たちの生活が一変した。一気に白米、肉、牛乳、ハム、砂糖,菓子、酒、ビール、が村に入ってきたのだ。そして「逆さ仏」現象が起きたのである。

6. 医療費の増大

 2022年の国民医療費は46兆6,967億円で毎年1兆円ずつ増加傾向ある。医師の数は2022年現在34万人で、医療技術も進歩し、国民の栄養状態も向上して、すべてが順調に見えるのに、何故医療費が増えるのだろうか。

7. 医療に対する世界の潮流の変化

素問クリニック院長、真柄俊一著「食は現代医療を超えた」現代書林2015年発行によると、最近「食と医療」問題がアメリカを中心にクローズアップされ、このテーマに取り組む研究者や医師が急増してきた。アメリカでは食事を変えて病気を治そうとしている医師たちが加盟する「責任ある医療を推進する医師会」という組織があり、そのメンバーは2014年現在1万1000人以上に増え、大きな成果を上げている。食に対する考え方が激変している、という。正に世界の潮流が変わりつつある。

2014年9月、アメリカのサンディゴ市で、「植物性食品による国際医療会議」がアメリカを代表する有名な医師や研究者が18名パネラーとして登場し最新の研究報告を行った。世界中から15カ国400名の人達が参加した。しかし日本からの参加者はただ一人真柄俊一博士ひとりであった。こんな重要な医療研究の場に日本から一人しか参加しないということは、日本の医療体制の遅れを如実に示すもので、日本の致命的な危機をもたすものである。

8. まとめ

1)日本の報道の自由度は世界で72位である。新聞もテレビもスポンサーの方を向いている。国民に真実が伝わらない。例えば2018年5月、アメリカのカリフォルニア州裁判所はコヒーに「発ガン警告ラベル」の判決を下したなど。その他詳細は船瀬俊介著「ビィーガン革命」2022年ビオ・マガジン発行。参照ください。

2)石原結實著「日本人はもう55歳まで生きられない」2016年ビジネス社発行。によれば近い将来日本滅亡の危機にあると。日本人短命化の条件がそろっている。何故か、飽食が原因という。確かにテレビでは連日、やれスイーツだ! グルメだ!焼き肉だ! 爆食・大食い番組が目白押し。

何とか歯止めがかからぬものだろうか。

日本でアメリカのマクガンレポートを契機として政府指導の下に啓発を行った様なことを期待したいのであるが。

日本はアメリカより30年遅れているという。

「医食同源」が判っていない。   

20250616-125302               

おわり

酵素の重要な働き By 豊岡倫郎 2025年4月30日

1.酵素の役割

栄養素には炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル、繊維質の六つがあるが、最近第七の栄養素と言われているのが酵素である。酵素の働きを無視して、身体の生命活動を語れないし、健康への影響度も無視することが出来ない位、重要な働きをしているのである。

20250501-134527

2.酵素とは

酵素とは、体内で化学反応を起こさせるための触媒の働きをするタンパク質の分子のことで、 そして触媒とは、他の物質に働きかけて化学反応を促進させる物質のことを言う。我々が食べたものを消化、吸収できるのも、筋肉を動かしたり、呼吸をしたり、考え事をしたりするのも、酵素の働きが関係している。今から二十数年前に、アメリカのエドワード・ハウエル博士が五十年間の酵素の研究をしてきて、「酵素寿命決定説」を唱えた。それは、体内の酵素が尽きたときが、寿命も尽きることを発見した。最近ではこの説は多くの医療関係者に支持され、応用されて成果を上げている。

3.酵素の種類

大きく分けて、我々の身体の中で作られている体内酵素(体内酵素は潜在酵素とも呼ばれることもある)と体外から食物として摂取する外部酵素の二種類がある。そして体内酵素には消化酵素と代謝酵素の二種類がある。

消化酵素とは、文字通り、食べ物を消化する酵素である。我々が食べ物を食べると、唾液、胃液、膵液、胆汁、腸液などが消化器官から分泌されて、これらの液に含まれている酵素が消化活動をしている。次に代謝酵素とは、身体全体の新陳代謝、自然治癒力や免疫力発揮の為に働いている酵素である。それから外部酵素とは、食物の中に含まれている酵素を体外から摂取するもので、例えば大根おろしを食べると、中に含まれているジアスターゼという酵素を体内に入ることなど。

我々の身体に少なくとも三千種類から五千種類以上の酵素が働いていて、ひとつの酵素はひとつの役割しか行わないから、これだけの種類があるという。

4.酵素の特徴

問題なのは、一生の間に使える体内酵素の量は限られているから、若い時に浪費してしまうと、早く枯れてしまい若死にする羽目に陥る。それでなくても加齢と共に体内酵素の生産量は減少してゆく。また「消化酵素適応分泌の法則」があって、体外から消化酵素の多く含まれている食べ物を摂ると、体内の消化酵素の分泌量が少なくて済むので、体内酵素の在庫量を温存できて助かる。更にもうひとつの特徴は、体内の消化酵素と代謝酵素の間には、量的な面での代行性があって、例えば、一時的に消化酵素の活動が忙しい時は、代謝酵素は自分の量を減らして、肩代わりしてくれる。逆のケースも当然あり得る。だから大食して肥っている人が消化酵素をいつも大量に浪費していると、代謝酵素がいつも不足を来していて、免疫力が低下して、ガンになることもあり得るのである。  

この大事な酵素の一番の弱点は熱に弱く、48度から55度で死滅してしまうことである。

5.酵素不足注意

酵素を不足させて病気を作る生活態度とは何かといえば、酵素の含まれていない食品ばかり摂取すること、加熱したものばかり食べること、過激な運動、睡眠不足、ストレスなど。特に食品添加物の多い加工食品、インスタント食品、コーヒー、お酒、甘いもの、動物性食品の摂取、クスリの常用、喫煙なども。これらの事は活性酸素を発生させるので、その処理に大量の酵素が使われる為である。

6.酵素対策

では、酵素を増やすにはどうすればよいか。前述したような事を改めること以外にも、主食は玄米の少食にする。生野菜や果物を摂る。発酵食品を摂る。例えば納豆、ぬか漬け、梅干し、きゅうりやナスの粕漬け、大根の麹漬けなど。シヨウガ、ハチミツ、味噌汁、大根おろし、長芋のとろろ、野菜サラダ類もおすすめであるが、野菜類は新鮮で、その土地で採れる旬のものを使用して、サラダなり、野菜ジュースで摂るのがよい。ハウスものは避ける。以上述べたような事を日常生活において、実行しても、従来からの悪い生活態度を改めないで併行していては、効果は期待できない。例えば大食、高脂肪高タンパクの肉、卵、乳製品、甘いお菓子や飲み物の摂取は体内の酵素の活性化の足を引っ張る行為である。何故ならこれらの食品は消化、吸収のために、酵素をムダ使いさせるし、腸内環境を悪化させて、その処理にも酵素が浪費させられるからである。特に加齢と共に体内酵素の生産量は減少するから、酵素の多く含まれる食品を積極的に摂取して、健康を維持する工夫をしないと、酵素が枯渇して、早々に命を落とすことになる。

7.酵素なき食べ物は生命の糧にならず。

 「生きたものは生きたものに養われる」という言葉がある。野生の動物で加熱したものを食べているのは人間だけである。55度の温度で酵素は死んでしまうから、新鮮な野菜、果物、発酵食品を常に食卓にのせたいものだ。甘酒を自分で作り、毎日飲むのもよい。生きた点滴と言われている。

8.消化酵素の内容

 下記の通り消化酵素(全部で24種類ある)にはこんなに分泌して、働いてくれている。

 胃液  2500CC/日アミラーゼ、プロテアーゼ、レンニン

   唾液  1500    マルターゼ、アミラーゼ

 腸液  3000    リパーゼ、ラクターゼ、アミノペプチターゼ、マルターゼ

 膵液   800    トリプシン、アミラーゼ、リパーゼ

 胆汁  1000

   合計   8800CC/日

これだけの酵素が分泌されているからこそ、食べた栄養素が消化、分解され各細胞に届き、活動エネルギーとなっている。なお食べ物が栄養素に分解されることを異化という、その栄養素から組織・器官の材料が作られることを同化という。異化と同化を合わせて代謝と呼んでいる。

尚これらの一日に8800ccの大量の消化液が、どこで作られているかといえばその各組織、臓器の分泌腺である。ただの水ではなく、それぞれ食べ物に対応した酵素成分を各組織なり臓器が作り出す力に驚嘆を覚える。人間の体の力に感謝しきれない。無造作に欲望の赴くままに酒を飲み、甘いものや辛い物、肉や魚を喰らいて、ひと時の口福に酔いしれて、満足していることはなんとも情けない。天の配慮、体の緻密な配慮に感謝し、暴飲暴食を慎まなければいけない。

9.まとめ

1)これを機会に大食して、体を酷使していないか反省する。

2)酵素は一生に限られた量しか分泌されないから、尽きた時が命も尽きる。

3)生きた食べものに酵素が有る。加熱、加工食品には命の糧にならない。電子レンジでチンはダメ。

4)体の悲鳴が聞こえる心がけ配慮を持つことが大事。体をいじめない。

5)水分を摂る。一日に1~1・5L摂り、新陳代謝を良くする。

6)活性酸素が発生することを慎む。酵素の無駄使いとなる。ストレス、加工食品摂取など。

7)消化には膨大なエネルギーが使われることを知る。大食はいけない。

おわり  

背腹運動のすすめ By 豊岡 倫郎 氏 2025年3月31日

1. 背腹運動は西式健康法の体操の一つである。
この運動を行えば、西式健康法の他の金魚運動や毛管運動
を合わせて行ったより更に効果が高いと言われている。

2. 準備運動(下の図参照)

20250401-151519

座って正座して行う方がよい。

(1)両肩を同時に上下する事 10回。肩を上げたときに顎
   を出したり、首をすく
めてはいけない。下ろすときは、
   肩の力を
抜いてストント真っ直ぐに落とす。これで
   のこりが楽になり、肩の血液循環がよく
なる。

(2)右に頭を傾ける事 10回。1回で頭を素早く倒して元
   に戻します。頭
上に乗せた品物を右に放り出して、
   直ちに
基へ戻すような感覚です。

(3)左に頭を傾けることを10回する。(2)と同じ要領。
   この時右の肩から首に
かけて筋肉がつっているよう
   な人は食事
の量がすぎる証拠。過食のサインである。

   食事量を減らす必要がある。

(4)前方に頭を傾けること、10回。 頚椎7番の刺激と
   なるように、背中を伸
し、肩を一寸引き気味で行う。

(5)後方に傾けること、10回。この動作の時、あごをなる
   べく首にくっつけるようにして後ろへ倒す。

   以上の(2)から(5)間での運動は頸椎の第7番の神経
   を刺激して、呼吸を楽にしたり、咳が止まるなどいろ
   いろな効果がある。

(6)右後ろに顔を回すこと、10回。鼻を右後ろに回す気持
   ち、真後ろを見る気持ちで回す、回すと直ぐに元に戻す。

(7)左後ろに回すこと、10回。(6)と同様。この(6)と
   (7)の運動は胸の扁平を治す。つまり胸郭の異常を
   防ぐことが出来るし、また治療にも役立つ。

(8)両腕を左右水平位置に伸ばし、頭を、右と左へ1回
   ずつ回す。手のひらは前方へ向ける。こうすると腕の
   静脈管の働きがよくなる。

   手は、円を描いて水平に伸ばす。ただ、伸ばし過ぎて
   行き過ぎて元に戻さない。手は、最初膝の上からゆっ
   くりと挙げていき、次第に早くなって、左右水平位置
   でピタリと止まるようにする。広げた手の手首から先が、
   小指側の方へ曲がればアルカリ過剰体質、拇指側へ
   曲がれば酸性過剰体質といわれる。

(9)両腕を垂直に挙げ、頭を右と左へ1回ずつ回す。
   手は、耳の後ろに来るぐらいまで挙げる。この時、
   頭を回しやすい方の胸部の厚みは、回り難い方の厚み
   より薄い。特に、回り難い方に力を入れて回し、左右
   平等に回る時は、左右の胸の厚みに同じになっている
   はずです。回りやすい方の足がモルトン氏病、回しに
   くい方の足がソーレル氏病で、回しにくい方を、
   つまり、胸が厚い方を下にして寝る人が多いようです。
   この運動で胸の筋肉が伸びるから、胸郭異常の予防と
   治療に役立つのである。

  注) モルトン氏病とは足の親指の付け根が炎症している
     こと。ソーレル氏病とは足のくるぶしが炎症して
     いることをいう。

(10)(9)の両腕を上に挙げたま、拇指を内側にして掌
   を強く握り、そのまま肘が直角になるように腕が水平
   の位置まで落とす。この時、水平に落としたつもり
   でも肘が下がりすぎる人があるので注意する。拇指は
   充分曲げて、指先が小指の付け根、または、外に出る
   くらいにすると本能線(生命線)がハッキリする。

   この運動は体内の予備アルカリを増やす効果がある。

(11)(10)の状態のまま、腕を引けるだけ引き、同時に
   頭を後ろに反らし、顎を上に突き上げる。
   この運動は甲状線の機能不全にも効果がある。
   また副交感神経を刺激する。胸部リンパ腺の働きも
   よくする。冬に耳にしもやけができる人ができ難く
   なる。鎖骨による頚部静脈の圧迫を緩和するから。

以上の11種の運動を約1分間に終えること。この準備運動を
行うだけで、肩や首の凝りや目の疲れ、喉の痛み、鼻づまり
などが良くなることがある。 この準備運動が完全に出来る人
は横隔膜より上に故障がない人だといえる。

また準備運動は、頚椎7番の神経の圧迫を取り除く。
猫がネズミを捕る前や、喧嘩鳥が喧嘩を始める前は首を動か
してから行うと言われている。

この準備運動を初めて行うときは、首に無理に力を入れない
こと、無理に曲げないようにすることです。めまいを起こし
たり、首筋を痛めることがある。

3. 本運動

20250401-160712

準備運動が終わると、直ちに力を抜いて掌を上にして膝の上
にのせる。この時小指と薬指はひざに着け、てのひらは少し
上向きにしておく。

両膝は、正座をし、本人の握り拳の5倍くらいに開く。
足の拇指は軽く重ね、まっす
ぐ正面を見て、腰と背中を
伸ばし、顎を引
く。体を右、左と交互に倒す。左右に倒した
ときに、下腹部の中心へ軽く力を入れ、腹を押し出す。
体が中心へ戻ったときに力を抜き腹をへこます。頭をふらつ
かせないようにする。但し呼吸とは関係ない。腹式呼吸する
わけではないので息の仕方を気にする必要はない。

こうして1往復を1回と数えて、1分間に50回乃至55回
行えれば、理想です。しかし、回数にこだわって姿勢が崩れ
てはいけないので、最初は200回でも300回でもできる
だけ行い、次第に10分間で500回できるように努力すると
よい。

最初は、掌を上に向けて膝の上に置き、腕の力を抜きます。
それでなれたら、掌を横にして、小指側を膝に軽く置き、
体の倒れる方向へ交互に、手首から先を倒すようにする。
そうして充分なれてから中指と薬指を立てるようにします。
頭は重心に反抗して上に伸ばす。糸に重りをつけて振って
いるような感じ。最初は頭上に意識を持っていき、次第に
下げていく。胃の悪い人は特に胸椎5、6、7番の辺りが
後ろへ曲がるので、そこの力を抜き、背中を伸ばして重心
を下げるようにする。この運動は、尾骨が中心(支点)と
なって、体を左右に振る、もし腰が曲がると仙骨の2、
3番に支点が上がるし、背中が伸びないと腰椎5番辺りに
支点が来るので注意が必要である。 姿勢を正して、尾骨を
中心に、頭の天辺までをなるべく一直線にする。ちょうど
一本の棒が体の中心に入っているような気持ちで行う。
この運動は最初の内はゆっくりと体を左右に揺すりながら、
おなかの出し入れが正確に出来るよう練習を重ねて行く
とよい。少なくとも三カ月くらいかかると標準のスピード
で行えるようになる。また左右に倒す角度は中心線から
四十度が標準であるが、最初は慣れるまでそこまで倒さなく
てもよい。なおYou-tubeで背腹運動の動画が見られる
から、参考にしたらよい。

4. 回数は一日に朝夕二回行う。

5. 効能

(1)この左右の揺振運動は交感神経を刺激して体液が酸性
  に傾く、また腹部運動は副交感神経を刺激して体液を
  アルカリ性にする。従って両者を同時に行うと体液は
  中性になる。

  おヘソの左上3センチ位のところに太陽神経叢という
  神経の中枢がある。このおなかの出し入れをすると
  副交感神経が緊張して、腹式呼吸をするのと同じ働き
  をする。

 (2)この時潜在意識が働いて自己暗示が効きやすい状態に
  なる。だから運動中は「良くなる。能くなる。
  善くなる」と念じながら左右に体を揺すると同時に腹
  を前に突き出すことを繰り返すと体のバランスが整え
  られ、気持ちが素直になり暗示のかかりやすい状態に
  なる。俗に「いわしの頭も信心から」と一言わ れる
   ように、病気になっている時に、何かを信じ、
  前向きに考えることが体にとって良く作用することは
  よく知られている。がん患者でも絶望的で悲観的な人と、
  前向きに生き抜く意欲をもっている場合とで は、免疫
  力に明瞭な差が出てくる。背腹運動をする時は特に、
  念じて病気を克服するのだ、健康を増進するのだという
  意欲がよく体に反映される状態になっているわけである。
  だから、背腹運動をする時は余計なことは考えずに
  「良くなる。能くなる。善くなる」と念じて行うのが
  最も効果がある。

 (3)脊柱の曲がりが矯正され、背骨の狂い(副脱臼)も治り、
  全身の健康状態がだんだん良くなってくる。長期間続け
  ていると、頸椎、胸椎、腰椎の周辺の筋肉もほぐされて
  くる。その内この運動中にポキッ、ポキッという音がし
  て副脱臼していた背骨が矯正される。今までは狂った
  背骨のせき髄の椎間孔から出ている脊髄神経が圧迫さ
  れて、その神経が分布している臓器や組織が十分働か
  なかった為に、病気になっていたのが、改善されるのである。

  この運動で背骨の左右の狂いばかりでなく、前後の狂い
  も矯正されるという特徴がある。         

(4)この運動を熱心にやっていると、手相が良くなってくる。
  それは頸椎骨が正しい位置に修復 

されて、そこから出ている脊髄神経の機能が完全になる。その結果手の神経が正常に働いて、筋肉の動きもスムーズになる。手の握力が強くなり生命線が強くなる。

 (5)皮膚が鍛錬される。寒さに強くなる。

 (6)腹部の血液循環がよくなり、胃腸の働きが良くなる。
  便秘を防ぎ、宿便を排除することが出来る。栄養の
  吸収も良くなる。年をとると腹圧が下がって、下腹
  ポッコリの女性が多い。そんな人にはもってこいの
  体操である。そもそも食事療法にしろ、健康体操に
  しろ、腹部の胃腸の働きを重視しない健康法は体全体を
  統括した重点思想に欠けている。何故なら胃腸こそは
  自然治癒力を高め、免疫力を強化する要なのであるから
  昔から「胃腸よければ全て良し」というではないか。
  但し食べ過ぎによる病気はこの話から論外のことである
  からくれぐれも注意してほしい。

 (7)この運動の注意点は、続けている途中に、自然治癒反応
  が出ることがある。例えば腰が痛くなったり、横腹が
  痛くなったりするなど。その時は体の調子を見な がら、

  功をあせらず徐々に元に戻してゆくようにすると良い。
  自然治癒反応が強い人ほど今まで体に異常があったり、
  病気になっている人である。それを素直に受け止める
  ことが大事である。逆に悪くなったと勘違いしないよ

  うに。

 

6.まとめ

最近「背骨ふにゃ」や姿勢の悪い子供が急増していて、
問題になっている。昔から「背骨のゆがみは万病のもと」
と云われている。更に問題なのは現代医学の医者は背骨の
ゆがみと疾病の関係を軽視していることである。まことに
嘆かわしいことである。慢性病で長年あちこちの病院に
通院していても治らなかった人が、背骨のゆがみを矯正して
もらったら、いっぺんに治ったという例は沢山ある。
元来人間の健康は医者のみが司るものではなく、万人すべて
のものである。自分の姿勢の悪さを棚に上げて、或いは自分
の健康状態を把握しないでいることは、「己を知らない」
ことを意味する。健康になる基礎は「己を知る」ことである。
無知と慢心と怠惰が病を呼び込む。その点、背腹運動は
西式健康法の大眼目であり、力学、科学、心理学が加味され
たすばらしい療法の一つである。この運動を継続して実行
していると、単に健康のためだけでなく、人格の形成にも
寄与するというすばらしい効果もある。子供がこれを実行
すると頭も良くなる。この運動と適度な健康体操と玄米
自然食さえ実行すれば、健康で長寿を全うできるのでは
ないかと思う。問題はこの運動の良さを充分理解してもらえ
たとしても、実行が長続きするかどうかにかかっている。
ひと月やふた月続けたくらいではその良さが出てこないから、
大抵の人は途中で挫折する。何事もそうであるが、
強い信念のない人は自分で病気を治せないものだ。肩こりに
悩んでいる人は騙されたと思って、この体操を始めたらよい。
上半身の血流が良くなっていっぺんに改善されるはずである。
もし改善されない人がいるとしたら、その人の食べ物の質が
悪いから血液 が酸性化し、汚濁していることに原因がある
のだろう。いくら体によい体操を毎日続けても、毎日甘い物
や肉、たまご、牛乳などの高タンパク、高脂肪食品を摂りす
ぎていては、健康を期待することはできない。         

おわり

血流が健康を左右する By 豊岡 倫郎 氏 2025年2月28日

1.心臓の構造と血液の流れ

心臓の大きさは、大体その人の握りこぶしの大きさと同じ位である。

心臓には、右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋があ
り、先ず左心室から動脈血を身体の隅々まで送り出し、右心房に戻
ってくる流れの「体循環」と、全身を巡ってきた静脈血を右心室か
ら肺へ送り、二酸化炭素を排出し、酸素を取り込んで左心房へ戻っ
てくる流れを「肺循環」という2種類のルートがある。

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全身を巡る体循環が約60秒なのに対し,肺循環の所要時間はわずか
4秒ほどである。

なお右心房から右心室の間には逆流を防ぐために三尖弁がある。
右心室から肺動脈の間には肺動脈弁があり、左心房から左心室の
間には僧帽弁があり、左心室から大動脈の間には大動脈弁があり、
それぞれ逆流を防いでいる。

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左心室から出た血液は大動脈に入るが、大動脈は直径が3~4cm
もある太い血管で、枝分かれしてゆき段々細くなって、直径20~
30ミクロンの細さになる。この先は細胞組織に酸素と栄養を届
ける段階では、毛細血管の太さは5~7ミクロンになる。以上が
動脈の流れである。毛細血管は二酸化炭素と老廃物を受け取り、
小静脈血となり、大要静脈となって心臓の右心房へ入る。

人体の血液の量は、体重60kgの人で約4.8リットル有るが、
1回の拍動で、約70mlの血液が送り出される。その量は1分当
たり5リットルになる。この量はからだの血液の総量と同じ位であ
る。安静時の拍動は毎分およそ70回である。生まれてから死ぬま
で動き続ける心臓は、心筋という心筋繊維で、心臓全体を網状に覆
っている。
その心筋を養う血液を供給するのが、冠動脈と言われる3本の冠状
動脈である。この動脈が詰まれば一巻の終わり。

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2.血液循環の原動力は何か

 1)心臓ポンプ説・・・

   今の医学の本には、血液が体内を循環するのは心臓のポンプの
   力であると書いてある。これが現代の血液循環論で、皆さんも
   そう信じていることとおもう。この根拠となっているのは、今
   から390年ほど前にイギリスのウイリアム・ハーブェーが論
   文で発表したものがその根拠となっている。すなわち血液循環
   の原動力は心臓のポンプ作用である。その後心臓だけでは力が
   足りないので、動脈の収縮力なども手伝って血液が全身の細胞
   へ送られるという説である。この説に基づいて生理学の研究や
   医療が行われている。

 2)西勝造先生の血液循環の原動力は毛細血管網にあるとい う説・・・

   西式健康法の創始者西勝造先生は昭和6年にこの説を西式の
   機関誌に発表した。なお西勝造著「無病長生健康法」実業之
   日本社発行にその根拠を掲載している。即ち「毛細血管と
   小静脈の接合部毛細管側真空ができ、毛細管原理が作用する」
   とある。要するに、細胞が飢えいて毛細血管が真空になり血液
   を要求するのである。また甲田光雄著「マイナス栄養のすすめ」
   春秋社発行187ページには、わずか握りこぶし大の心臓の
   小さな左心室から、水の3~4倍の粘稠度の血液を僅か11秒間で、
   全身に51億本もある5ミクロンの太さの毛細血管に流すこと
   が可能か?疑問であると。

 3)毛細血管の小動脈と小静脈の吻合部分にあるグローミューの役割

   グローミューとは血液は細動脈から毛細血管を通り細静脈へ流れ
   るが、毛細血管を通らずに血液を流すバイパスがある。それを動静
   脈吻合とか、グローミューと呼んでいる。グローミューの関連は下図 
   の通りである。

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   我々が急激な寒さにさらされたとき、皮膚は体温を逃がさないよう
   にと、毛細血管は収縮して、白くなる。血液が遮断されたのである。
   そんなとき血液は毛細血管を通らずに、グローミューを通って流れ
   ているのである。もしグローミューが硬化していたり、消滅してい
   たら、血液は毛細血管にぶつかり停滞してしまう。寒い外での赤ら
   顔や鼻が赤いのは良くない。水仕事でしもやけやあかぎれもグロー
   ミューの働きの不全である。逆に暑い季節では毛細血管もグローミ
   ューも解放されて、体内の熱を逃がそうとする。

 4)「流水腐らず」と言う言葉がある。ガンが出来ない体の部分がある。
   それは脾臓、心臓、小腸で、常に新陳代謝や血流があるからだという。
   逆にいえば血流の悪い部位に病巣ができる。少食にすれば細胞は飢え
   て栄養を要求するから毛細血管は血液を吸引して血流が良くなる。

3.血流対策

 1)少食にする。暴飲暴食を慎む。大食や肉、乳製品、卵の動物食は動脈
   硬化を生む。

 2)西式健康法の毛管運動、温冷浴、裸療法をして毛細血管、グローミュー
   を強化、再生する。

   特に毛管運動(一名ゴキブリ体操と呼ばれている)は、毛細血管の70%
   を占めている手足を微振動させ、毛細血管及びグローミューを再生して
   血流をよくさせる効果がある。しかし現代医学ではその効果を「そんな単純
   な運動で血流が良くなる筈がない」と無視する。無視は無知に通じる。
   治療効果の実例「当時渡辺医院院長、故渡辺正博士が健康雑誌【私の健康誌】
   に紹介した」

 3)ストレスを溜めない。緊張すると交感神経が亢進して、血管が縮小し血流停滞する。

 4)アルコール、砂糖を控える。前述の西勝造著「無病長生健康法」によれば、
  「アルコール過剰は動脈硬化となり、グローミューを硬化、変質、解放する。
   糖分過剰は糖尿体質となり、グローミューは消失,軟化、萎縮したりする。」と。
   更に「ゴースト血管」の名付け親である大阪大学教授の高倉伸幸著「ゴースト
   血管をつくらない33のメソッド」によれば、「血糖値が高くなるとAGE
  (終末糖化産物)が発生し、血管内皮細胞の受容体がAGEによって「活性酸素」
   が大量に発生し、血管の壁細胞にダメージを与える。」これでは毛細血管本来
   の機能を果たせないと。

 5)前述の甲田光雄著「マイナス栄養のすすめ」によれば、「砂糖をコップに1杯
   くらい砂糖湯にして飲むと心臓が痛む。この時心臓の弁をささえている腱索を
   痛めます。弁は血液が逆流するのを防いでいます。その弁を引っ張っている腱
   が痩せて切れる。その結果、血液循環を阻害し、脳梗塞を起こす原因になります。
   」とある。砂糖の過剰摂取の害は恐ろしい。

4. まとめ

 1)日本人の死因のトップはガン。次いで多いのは、血管の脳疾患、心臓疾患である。
   これらの疾患には基本的に予防対策が摂られるのが本筋である。それにはアメリ
   カの予防策が参考になる。

 2)1975年アメリカのフォード大統領は、当時アメリカは心臓病、脳卒中、肥満
   などの生活習慣病が急増し、医療費膨れ上がっていた。これではイカンと、
   議会に特別委員会を設けて、2年の歳月をかけて、3千人の専門家を動員して
   調査して、1977年に発表したのが、5千ページに及ぶ、委員長の名を付して、
   マクガバン・レポートである。そこには「・・・我々の食事は致命的な過ちを犯
   した。つまり肉食、牛乳、乳製品、卵、砂糖・・などの豊かな食事があらゆる
   病気の元凶だったと。即刻食事を改めねばならないと」。そのレポートに基づき
   政府は食生活改善のための国家プロジエクトを打ち出した。その結果1990年
   を境にしてアメリカのガン死亡率が減少に転じた。例えば政府施策にはフード・
   ピラミッドの食事指針があり、1日最低5サーヴィング(5 A DAY、フアイブ・
   ア・デイ)がある。これは1日に5皿の野菜・果物を摂れ!という意味である。
   欧米でビーガン、ベジタリアンが増えた。また植物性食品による国際医療会議
   開催や食と医療を研究する体制が揃った。代替医療の研究が進み、自然医療を
   教える大学が十数校あるという。それに引き換え日本政府や医学界の医療体制
   はどうだろうか。せいぜいバランスの良い食事を摂れ、減塩しなさい位か。
   これでは生活習慣病は減らない。予防医学を重視しない日本の医療体制は20年
   遅れているとか、医療鎖国と言われている所以であろう。このままで行けば、
   益々生活習慣病は増えること間違いなし。 

おわり

便秘は万病の元 By 豊岡 倫郎 氏 2025年1月30日

1. 便秘人口

現在、便秘は放っておけない悩みの一つとなっている。約1000万人いるという。
特に、若い女性の方に多い傾向があるが、それが70歳を過ぎたあたりから急激
に高齢者の方が増加傾向にある。たかが便秘と侮ると、その害は全身に及ぶから
放置してはいけない。何とか解決したいと、これを機会に便秘について、見直し
てみることにする。

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2. 便秘とは

便秘とは、決まった定義はないようであるが、一般的には2日から3日の間に一度
の排便しかなく、拝便困難感、腹部膨満感、下腹部痛などの自覚症状を認める人を
便秘症という。

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3. 便秘の種類と原因

 一般的には、便秘のタイプは4つのタイプに分かれる。

  • 直腸性便秘
    直腸まで便が下りてきているが、便意が起こらないため、便秘になるタイプ。

  • 弛緩(しかん)性便秘
    結腸全体の運動機能が低下しているため、たとえば大食による宿便停滞による
    腸マヒによるもの。高齢化で消化器の疲弊。

  • 痙攣性便秘
    ストレスなどによって、自律神経が亢進して、便が出なくなるもの。
    食べ物が急に変わった時。旅行に出た時や過激な運動をした時など。

  • 器質性便秘
    直腸ガンなどで腸の癒着が起きて便の通りが悪くなっているケース。
    または子宮ガンや膀胱ガンで腸を圧迫していて便秘するケース。

  なおこれら種類のミックスタイプもある。またこのいずれにも該当しないタイプもある。

  若い女性に便秘症が多いのは、黄体ホルモンと腹筋が弱い事が原因という。

4 .便秘はなぜ起きるか、それは腸マヒのためである

甲田光雄博士著「朝食を抜くと病気は治る」マキノ出によれば、大食を続けていると、
それを処理する胃腸が伸びて垂れ下がり、横に広がり、癒着したりして、
細くなったり、ねじれて、食べ物の通りが悪くなって、滞留する。便秘の始まりである。
これを腸マヒと呼んでいる。これでは蠕動運動が起こらない。

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5. 便秘から派生する病気の数々

 1)一般的には便秘になると、患者が訴える症状には、頭痛、肩こり、し、不眠、
   オナラ、腹痛、
口臭、肌荒れ、シミ、アレルギー、食欲不振、陰うつ、
   腹部膨満感、などである。

 2)ストレスに敏感になり、自律神経の交感神経の亢進、免疫力が低下する。

 3)冷え症になり、腹部血流不良による腸の蠕動運動が不活発になる。

 4)腸内環境悪化して、悪玉菌優勢化による蠕動運動(ぜんどう)が低下する。

 5)大量の停滞便によって、腐敗便から発生する毒素・インドール、スカトール、
   アンモニア
なのどの毒素が血中に入り体内の各組織・臓器の機能低下する。

 6)慢性便秘は宿便をもたらし、宿便は万病の元となる。

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 7)最近話題の腸モレ、酪酸菌の減少、慢性炎症、大腸ガンの増加、腸脳幹相関
   でうつ病、
認知症などの発症。即ち万病の元と言われる所以である。  

6.便秘解消対策を列挙すると・・・

1)前述の腸マヒを解消することである。その為には、朝食抜きの2食の少食にすることである。
  前述紹介した本の245ページに朝食抜きの1日2食のメニューによると、主食は玄米粉で、
  生野菜ジュース、ニンジンおろし、大根おろし、山芋おろし、豆腐、はちつ、である。
  この基本食に基づき、便秘患者の1年間治療後の調査では、214名のうち、著効が175名で、
  有効を合わせると、93%あった。その最大の理由は少食と空腹時間の確保だという。

  なお以下一般的に言われている便秘策を列記する。

2)食物繊維を摂る。一日摂取量は男性20g、女性18gが理想。これには2種類ある。
  水溶性食物繊維ではリンゴ、バナナ、キウイフルーツ、海藻類、ごぼう、モロヘイヤ、
  ブロッコリ、そば、カボチャ、さといも、山芋、オクラで、不溶性食物繊維では穀類、
  イモ類、豆類、根菜類、キノコ類で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の摂取は1対2
  の比率で摂る。

  なお一日野菜摂取量は350g以上が理想と言われている。

 3)水分を一日に1.5~2リットル摂取。生水或いは柿茶が良い。30分にコップ半杯位、

   ちびちび飲むと細胞に行き渡る。一度にガブガブ飲むとすぐ尿として出てしまうので注意。

     なお朝コップ一杯の水を飲むと、その刺激で胃・結腸反射で、蠕動運動が起きる。
   必ずしも朝食を取らないと便が出ないという事はない。

 4)空腹時間は8時間開ける。胃が空になると、モチリンと言うホルモンが出て腸の蠕動運動
   が起きる。更に朝食抜きでは、16時間空けるので、大量のモチリンが出て、効果大となる。

 5)くよくよせず、ストレスを無くす。リラックスすると、自律神経の副交感神経が優位になり、
   蠕動運動が起きる。ストレス解消には自彊術など全身運動が良い。

 6)お風呂にゆったり入ると、またはお腹を温めると、血流が良くなり、リラックスでき、
   副交感神経が優位に働く。

 7)腹筋や骨盤底筋を鍛えるような体操をして、腹圧を強くする。

 8)充分な睡眠を取る。睡眠中に副交感神経が働き、消化吸収や蠕動運動がスムースになる。

 9)排便を司る神経は仙椎の3番、4番と腰椎、胸椎が関係しているから西式健康法の健康体操
   の金魚運動、背腹運動をして、骨格矯正と自律神経の均衡化に効果がある。

 10)漢方では便秘に効果のある合谷(ごうこく)、神門(しんもん)のツボを指圧する。

   11)スイマグ(水酸化マグネシュウム)という緩下剤(三保製薬研究所から発売されている)
    を飲む。これは刺激性が無く、くせにならない。既に西式健康法では、何万人もが服用
    してその効果が実証されているので安心して服用できる。よく耳にするのは、センナや
    アロエで便秘が治ったと聞くが、漢方薬も含め、常用すると、段々服用量が増えて、
    大腸メラノーシスとなり、大腸粘膜が黒褐色に変化、障害が起きるから要注意。

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7. まとめ

 1)病気には必ず原因がある。便秘の最大の原因は食べ過ぎである。これを止めねば解消しない。

 2)次は甘いもの及び動物性食品の肉類、乳製品の摂取である。これは悪玉菌を増やして、
   腸内環境が悪くなる。これでは、腸壁の粘膜液の分泌も少なく、今話題の酪酸菌も増えない。

 3)体に悪いことを止めない限りは、事は解決しない。悪事は良事を駆逐する。

 4)食欲の赴くままに、日夜暴飲暴食を繰り返して、いざ病気になって「私ほど不幸な者はいない」
   と被害者ぶって、嘆いても後の祭り。本人は加害者なのであることに気が付かない。 

 5)これだけ生活習慣病患者が増え続けていても、現代医学業界は食事療法に力を入れない限りは、
   病人減らないだろう。予防は最大の治療法である。 

おわり 

免疫力を上げて病気予防 By 豊岡 倫郎 氏 2024年12月25日

1.今こそ免疫力をUP

インフルエンザが猛威を振るっている。

高齢者は下図の通り、免疫力が低下している。

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若い人に比べ三分の一に低下しているので、極力留意しなければ

ならない。

風邪、ガン、アレルギー疾患、リュウマチになるのも、皆この

免疫力が関係している。何故こんなに免疫力が低下したのだろうか。

今回は免疫について再考してみる。

2.免疫とは

人体には外部から侵入する有害な細学物質などの有害物質 及び

体内で発生するがん細胞や腸の腐敗便からでる異質な有害物質など

の異物から身を守る防御システムが備わっている。これを免疫と

呼んでいる。

3.日本人の死因

直近の死因の病気別の順位は下の通り。

1位:悪性新生物(24.3%)
2位:心疾患(14.7%)
3位:老衰(12.1%)
4位:脳血管疾患(6.6%)
5位:肺炎(4.8%)
6位:誤嚥性肺炎(3.8%)
7位:不慮の事故(2.8%)
8位:新型コロナウイルス感染症(2.4%)
9位:腎不全(1.9%)
10位:アルツハイマー病(1.6%)
11位:その他(25.0%)

4.がん死亡者数(2022年)と男女別部位の順位

厚生労働省が公表した「2022年のがん(悪性新生物〈腫瘍〉)

による死亡者数は合計 385,797人(男性が22万3,291人、

女性が16万2,506人)だった。

部位別でみると、男性は肺がん、大腸がん、胃がん、すい臓がん、

肝臓がんの順に多く、女性は大腸がん、肺がん、すい臓がん、

乳がん、胃がんの順となっている。

時代の変化と共に部位別は変わってきた。昔は胃がんが多かった

が、今は大腸がんが増えてきた。何故だろうか。

なお女性に肺がんが多いのは、大腸がんと肺がんには相関関係が

あるという。

 

5.免疫力の主役は白血球

体の中には縦横に張り巡らせた免疫システムがあり、その主役は

血液の白血球である。白血球の成分は、マクロファージ5%、

顆粒球60%、リンパ球35%で構成されている。これらを免疫細胞

と呼んでいるが、その役割は、マクロファージは大きな異物を処理

したり、細胞から出た廃物を片づけたり、更にサイトカインという

生理活性化物質を産生して、免疫細胞間のコントロールをしている。

顆粒球には好中球、好酸球、好塩球の3種があるが、好中球は細菌

や死んだ細胞の死骸などの大きな異物を食べて処理したり、体内に

炎症が起きると、腫瘍細胞を攻撃する。またリンパ球の中味は、

NK細胞、NKT細胞、B細胞、T細胞から成っていて、ウイルス

などの微小な異物やガン細胞を攻撃する働きを持っていて、これら

免疫細胞が連携を取りながら、抗体作り、内外の有害物質や異物、

即ち抗原と四六時中日夜闘っている。

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4.腸の仕組み

まず腸の仕組みを見ると、口から入った食べ物は、食堂、胃、

十二指腸を経由して、小腸の空腸、回腸を経て、大腸の盲腸、

上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸を経て肛門に至る。

その間食べ物は肛門から排泄されるまでの時間は24~72時間

かかる。また腸の長さは小腸は6~8m、大腸は約1.5mで、

腸全体の表面積は32㎡で畳20畳の広さに相当する。

小腸の内部は細かいヒダ状になっていて、ヒダの内側には絨毛と

言う突起があり、絨毛は更に、微絨毛という突起でびっしり覆われ

ていて、そこで食べ物の栄養素が吸収される。また大腸は小腸で

吸収されなかった消化物の残滓を腸内細菌によって、発酵させて

一部の栄養素を取り込み、水分を吸収して、便を作り肛門へ送り出す。

腸内の粘膜に生息するいわゆる腸内細菌の数は100兆個、

1000種類に及ぶ。

総重量は約1.5~2kgもある。内訳は善玉菌2割、悪玉菌1割、

日和見菌7割が理想的という。尚日和見菌とは、数が優勢な方に

味方する菌である。この三者のバランスが何らかの原因で崩れたら、

腸内環境が悪くなり、健康上の問題が起きるのである。

 

5.免疫力と腸内環境の関係

最近腸内細菌の研究が進み、免疫システムの約7割は腸が担って

いることである。

免疫細胞の5割が小腸に、2割が大腸に存在する。小腸の内壁に

ある絨毛の所に「バイエル版」に免疫細胞が集まって、役割を

はたしている。

 

6.有用な腸内細菌を育てるには

 1)江田クリニック院長の江田 証 著「長生きのための新しい

   腸活」2024年3月新星出版社発行によると 

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   日々の食べ物によって、腸内細菌が変わる。

   そこで善玉菌を育てるには 

   ●発酵食品のヨーグルト、味噌、納豆。
   ●水溶性食物繊維、海藻、野菜の根菜類、豆。
   ●オリゴ糖を増やすバナナ、豆類、玉ねぎ。
   ●EPA,DHAを含む青魚、サケ、アマニ油。

  を摂る。

 2)特に免疫力を上げると云われる酪酸菌を増やす食材は、

   ぬかずけ、海藻類、豆製品、玄米など穀類、キノコ類、

   大根、ゴボウ、ニンジン、バナナ、りんご、キウイなどで

   あるという。

 

7.腸内環境を悪化させるものを止める事が最優先事項。

 ● 甘い砂糖類は悪玉菌のエサ。

 ●肉類に含まれる動物性脂肪を摂りすぎると、胆汁酸が多く分泌され、
    それが大腸に行くと、二次胆汁酸に変化して、大腸の細胞を傷つけて、
  発ガン性を増加して、大腸がんのリスクを高める。

 ●動物性タンパク質の大量摂取は、消化しきれなかった時は、
  悪玉菌を増やし、アンモニア、フェノール、インドール、
   スカトール、アミン類、硫化水素の有害物質を生成する。

 ●砂糖とタンパク質は体内で終末糖化産物(AGE)となり、
  体調不良、老化を促進する。●大食と揚げ物、油で処理した天ぷら、
 揚げ物、油いため。

 ●ストレス、

 ●便秘、

 ●睡眠不足、

 ●活性酸素の発生する行為。
  例えば、飲酒、過激な運動、ストレス、服薬、食品添加物、
  宿便と便秘、紫外線にあたる。自律神経の交感神経と副交感
  神経がアンバランス。

 ●トランス脂肪酸、ショートニング摂取。


8・まとめ

 1)健康管理に無神経な人、無関心の人には、「無知は死を招く」
   と言う言葉どおり、墓穴を掘る。問題意識を持たない人には、
   どんな良い話を聴こうと、文章を読んでも、スルーして、
   出会いとはならない。

 2)管理手法には重点管理がポイントである。上述のガン死者数
    の多いものを重点的に減らすには、人々は肉食と砂糖の害に
   気が付き控える事である。さもないとガンは減らない。

 3)最大の問題点は、現代医学は食事療法を採用しない事である。
   予防に力を入れない事である。

    今後益々ガン患者は増加するだろう。皆さんはどう思いますか。 

  「明日は我が身」にならぬことを祈るばかりです。
   予防するにはどうすればよいか今一度、考えよう。              

   4)体に良い事を実行しても、悪いことを止めない限り病人は
   減らないだろう。


おわり

半日断食のすすめ By 豊岡 倫郎 氏 2024年11月30日

1.生活習慣病の増大

日本列島は総半病人列島化している。総合病院へ健診にゆくと、待合室はどこも患者で
一杯の有様。
どうして病人が多いのだろうか。例えば、高血圧症 4.300万人、糖尿病(予備群も含め)
2,200万人、高脂血症2,200万人、脂肪肝3,000万人、慢性腎臓病 1,300万人、
メタボ(予備群も含め)2000万人、ロコモ(予備群も含め)4,700万人といわれている。
因みに日本の総人口は1億2,400万人で、その内、65歳以上の高齢者は3,625万人で全体
の29.3%を占める。比率はまだ増える傾向にある。

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2.健康寿命は短い

平均寿命は男性 81歳、女性 87歳である。健康寿命は男性 72歳、女性 75歳である。
いまや
健康寿命が短いのが問題になっている。他人に迷惑をかけて生きながらえても、
本人も不本意
に違いない。人生百年時代は遥かに遠い、絵空事ではなかろうか。
厚生労働省は囃し立てるが・・・。

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3.今何故、半日断食のすすめか

毎日テレビでは、やれグルメだ、スイーツだと囃し立てている。さらに大食い番組を
放映している。視聴率が気になるのだろうか。更に総国民あげて、肉食はスタミナが付く、
元気が出る。甘いものは疲がとれると、信じている。
生活習慣病患者が減らないのは、牛飲馬食のせいではなかろうか。今一度、食の原点に
返って考えてみると、浮かび上がるのは、半日断食である。まず断食とは何かを歴史を
さかのぼって考えてみることにする。

4.世界の断食の歴史

断食は本来、一定期間食べ物を断って、心身の浄化を実現しょうとするもの。

1)宗教の修行法・・・キリスト教では40日の断食が有名。贖罪(しょくざい)の儀式
   として
行われた。復活祭(イースター)などでの40日前に行うなど。

  イスラム教では有名なラマダンが信者たちの間で盛んに行われた。

   インドではバラモン教の信者が修行法として行ってきた。お釈迦様がガヤの山林に
 6年間こもり、何度も断食したのは有名な話。
 また古くから政治的手段としてハンガーストライキとして行われている。
 またインドの伝承的医学、アーユルベーダーでは、自然治癒力を活性化させる術として、
 長寿法として伝えられてきた。

 わが国でも、密教や修験道の修行として、平安時代から行われてきた。
 千葉県成田山新勝寺における参籠断食(さんろうだんじき)と言って神社・仏閣に
 こもり断食をした。過去に裕天上人を始めとして、新井白石、松平定信、二宮尊徳、
 倉田百三らが行っている。
 これらの断食は大半が宗教上の,或いは精神修養上の目的で行われた。京都の比叡山、
 奈良・吉野の金剛山などでも行われている。

2)一般人の病気治癒目的・・・古くから精神修養として行われてきた断食が、いろいろな
  病気に経験的に効果があることが判ってきた。

    ロシアでは1769年にモスクア大学のベニヤビノビッチ教授が断食療法説いている。
  20世紀になると、ニコライエフ教授が精神分裂病患者に断食で効果を上げている。

    アメリカでは19世紀後半医師ジューイが断食療法の先駆者となり、その後20世紀に
   入ると、シンクレア、ハスケル、ダンカンらが肥満治療に断食療法を施した。

  一方日本では、断食療法の施設が初めて出来たのは、大正の初期で、それから昭和に
  かけて盛んになり、第二次世界大戦以降、各地に断食道場が生まれた。
  奈良県生駒山の静養院断食道場、信貴山断食道場、小田原市関東断食道場、山口県
  高木道場、京都嵯峨野断食道場、神奈川県の辻堂断食道場などである。
  これらの断食道場では、現代医学では治らない難病患者を引き受けて、一定の効果
  を上げて、世に知れ渡っていった。

  医学会でも、最初に1889年に東京大学の大沢兼二教授ら7名が千葉県成田山新勝寺
  で断食をして、医学的研究した。1992年には国立栄養研究所の高比良英雄博士ら5名
  が断食を行い、心身の変化を検査して、「断食研究」として、1930年に岩波書店から
  刊行された。

  その後1967年甲田光雄博士ら5名が「絶食研究会」と言う組織を立ち上げている。
  そして1980年には東北大学の鈴木仁一教授らが心身症の治療目的で「日本絶食療法学会」
  を立ち上げて、これら学会が2本柱となって、断食療法を医学的に解明した。
  その後立ち消えか。

     なお断食と絶食の呼び名の違いは断食は宗教上の目的、絶食は医学的目的で行うのである。

3)赤本の貢献・・赤本とは「実際的看護の秘訣」という本の略称で、著者は日本海軍
  特務大尉築田多吉氏である。大正14年に発刊され、日本で行われている民間療法を
  見聞して回り本にまとめたもの。全1000ページを超える大著であるが、戦前戦後
  を通じて、大衆に読まれ、ベストセラーとなった。本の医45~54ページにわたり
  断食療法につき諸先生の臨床実験が掲載されている。更に本文の691ページ断食療法、
  905ページに大阪断食寮の見聞記や断食療法を行った病人の感想録が書いてある。
  病気に苦しむ人達はこれを読み、実行し、どれだけ福音書となったことだろう。
  赤本の功績は大きい。

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5.甲田光雄博士の「奇跡が起こる半日断食」の紹介

 一般に断食は怖い、不安である、手軽に実行できないと思い悩んでいる方のためにこの本を
 紹介する。マキノ出版平成13年発行、今は絶版かも知れないが、中古本で入手可能。
 半日断食とは午前中の断食である。まず手始めとして朝飯抜きの方法である。
 甲田先生は自分の体験と40年以上の臨床経験から一般の人は本格的な断食の前段階として
 朝食抜きを薦めている。現代医学では異論を唱える医者がいる中で、あえて半日断食を推奨
 している根拠は、この本を読まれると、納得されると思う。
 各種生活習慣病の解説や体験記などは大変参考になる。

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6.断食の効能

  ● 体の眠っている力を呼び覚まし、体質を変える。
  ●快癒をもたらす。
  ●エネルギーの利用の仕方を変える。
  ●宿便を排泄する。
  ●自己融解を起こす。
  ●遺伝子を活性化する。
  ●スタミナをつける。
  ●免疫を上げる。
  ●環境毒素を排泄する。
  ●活性酸素を減らす。
  

7.まとめ

1)テレビでおなじみの石原結實先生は「日本人はもう55歳まで生きられない」と言う本を出版。
  短命の原因は食べ過ぎだと云っている。なお先生は自ら伊豆半島に「ヒポクラティック・サナ
  トリウム断食道場」を開設していて、多くの議員、社長、弁護士、主婦ら3万人が体験。

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2)甲田光雄先生は自らの断食体験の中で、きっかけは赤本を読んで断食を知り、生駒山の
  断食道場の寮長に西勝造著「西医学断食法」を貸してもらって読んだのが、断食療法を
  治療方針として取り入れた発端となった。正に一期一会である。 

3)しかし現代医学では、何故か食事療法を予防・治療に採用してないようだ。
  医食同源という言葉のとおり、毎日食べた物が血となり、肉となり、細胞や組織を形成
  するのである。
  早く食事療法を取り入れない限りは患者は減らない。「医は食を超えられず」である。   

おわり

呼吸法で無病息災 By 豊岡 倫郎 氏 2024年10月30日

1. 呼吸法の歩み

最近呼吸法が見直されてきた。新進気鋭のハーバード大学客員教授の
根来秀行先生の本「毛細血管は若返る」に書かれている。

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「横隔膜を動かす根来式腹式呼吸で毛細血管をゆるませ、血流アップせよ」
と、3種類の呼吸法が紹介されている。

そこで呼吸法の歴史を辿ると、

1)お釈迦様が悟りを開かれた呼吸法

お釈迦様は約2500年前35歳の時菩提樹の下で、7日間足を組んで、
呼吸を見つめる瞑想法によって、悟りを開いたといわれる。その瞑想法
とは、「大安般守意経」(だいあんはんしゅいきょう)と言うお経によれば、
「入る息は短くてよいが、出る息は努めて長くすることを心がけていくと、
次第に雑念が起こらなくなる」というもの。
これが後に丹田呼吸法の原型となる。なお丹田とはヘソの下 10~15㎝
当たりの腹側と背中側の中間部の空間をいう。ここに太陽神経叢があり、
自律神経のコントロール中枢があると云われている。

2)丹田呼吸法
この呼吸法は江戸時代の中ごろ、臨済宗の中興の祖と云われた白隠禅師
(1686-1762)の著書「夜船閑話」によって一般に知られるようになった。
白隠は厳しい修行によって禅病に罹り、これを克服するために京都の山奥に
住む白幽仙人から丹田呼吸法を伝授されて、「内観の秘法」「軟酥(なんそ)の法」
を確立して、禅病に苦しむ多くの修行僧たちを救うために「夜船(やせん)閑話(かんな)」
という丹田呼吸法の本を著した。因みに医師の村木弘昌著「白隠禅師・夜船閑話
に学ぶ丹田呼吸法」に詳しく書かれている。

3)このようにして伝えられた呼吸法や修行法は、明治に入り、調和道丹田呼吸法の創始者、藤田霊斎師(1868-1957)によって、多くの人が実践できるよう体系化された。

 調和道丹田呼吸法は、二千数百年に亘り、修行者、武道家、芸道家たちの叡智と伝統により培われた呼吸法を、年齢や性別、国籍を問わず、どのような宗教や信条であっても開かれた形で実践できるよう体系化された呼吸法である。

4)同じころ岡田虎二郎(1872-1920)の岡田式呼吸静座法も有名ある。

5)更に二木謙三(1873-1966)の二木式腹式呼吸法がある。二木謙三先生は東京大学医学部教授、文化勲章受章、玄米菜食主義者で有名。二木謙三著「健康への道」によれば、胸腹式呼吸というのは、胸と腹と一緒に出て、一緒に引っ込んでゆく呼吸のやり方である。これが一番生理的な良い呼吸でる。即ちこの呼吸は、肺の呼吸面を平等にまんべんなく広くするため、肺全体が自由に呼吸するからよいのであると。

6)ヨガによる呼吸法では、沖正弘著「ヨガの喜び」によれば、ヨガの歴史は4,5000年前に遡る。人は訓練しないと、深く長い呼吸は出来ない。姿勢正しくすれば完全な深い呼吸ができる。

 紹介されているのは、呼吸体操、完全呼吸法、クンバク体操など。

7)気功の呼吸法では、帯津良一著「自然治癒力」によれば、気功においては、吸うことにあまり意識せず、吐くことに神経を集中し。静かにゆっくりと、最後まで吐き出す。東大医学部卒でテレビでもおなじみの先生で、漢方薬,気功、食事療法などを取り入れた治療実績で有名。

8)藤平光一(とうへいこういち)著「気の確立」によれば、座禅や神道の呼吸法を修行して創始したのがこの基本的な気の呼吸法だという。 藤平光一氏は合気道の達人で世界中に合気道を広めた。王選手の1本脚打法を指導したことでも有名。

9)塩谷信男著「自在力」及び「大健康力」によれば、塩谷信男氏(1902-2008)は106歳の長寿を全うされて、正心調息法を創始。東大卒、渋谷に内科医院開設、治療にあたる。自らの白内障や前立腺炎をこの正心調息法で治し、また患者たちの治療に実績を上げた。

 

2. 正心調息法とは

1)正心とは、物事をすべて前向きに考える。感謝の心を忘れない。愚痴をこぼさない。
  この3つの精神を忘れない事。

2)調息法とは

  ■ 姿勢

   ①背筋を真っすぐにして座る。座り方は正座、あぐら、椅子のどれでもよい。

   ②肘を直角に曲げて両手を組む。親指を重ね、利き手の方を上にして4本の指
    を揃える。これを鈴の印という。
    尚、体の弱い人は仰臥の姿勢でもよい。その時は両手を体の両側に伸ばして、
    手のひらを下に向けて床面やふとんに着ける。

  ■ 呼吸法

   ①鼻から静かに吸い込む。肺の上部から下部まで一杯吸う。

   ②吸い込んだ息を、横隔膜まで下げて下腹部丹田まで押し下げて、丹田に
    力を込めたまま、息を止める。この時肛門をギュッと締める。

   ③息を吐きだす。鼻から静かに息を吐き出す。腹の力を抜いて凹ませて息
    を吐き切る。

   ④普通の息を1回する。

   以上①~④までを1サイクルとして、25 回繰り返す。
         病人は何回かに分けてもよい。1日合計25回になるようにする。

  ■ 想念・内観

   25回終わったらゆっくり普通の呼吸をする。この時自分なりの公案を作り、

   病人なら「病気が治った」とか「短気が治った」とか、過去形で想念する。

(注意点)

  ●実行は食後2時間後とする。
  ●呼吸法を実行すると、体の代謝が高まるから、好転反応が起きることがある。
   下痢、腹痛、目まい、湿疹、頭痛など。体質が合わないとか、悪化したなど
   ではないから心配いらない。

 

3.なぜ正心調息法が効果(俗に丹田呼吸法)があるのか

1)体内の細胞の隅々まで酸素を供給し、血液の流れ、新陳代謝を良くする。
      なおガン細胞は
 酸素に弱いので酸欠部分に発生するという。

2) 丹田を刺激して自律神経のバランスを計る。

3)吐く息は副交感神経が働き、吸う息は交感神経が働くから、長く吐くのである。
     副交感神経の働きは心がリラックスして、血管が拡張して、血流が良くなる。

4)よって便通が良く。睡眠が良くなる、冷え症にも効果がある。

5)丹田を刺激するから、下腹部にある前立腺、膀胱、子宮の血流を良くする。

6)その他自律神経の安定は全身の肉体ばかりでなく精神的な安定をもたらす効果
      は計り知れない。

7)想念・内観について。心静かに、深く長い呼吸を続づけると、自ずから内観瞑想
     状態に入り、潜在意識が働き、思いが叶うのではなかろうか。
     この件の詳細については、前出、塩谷信男著「自在力」及び「大健康力」を
     参照されたい。

4.まとめ

1)原崎勇次著「医者いらず呼吸法」によれば、「病院に入院している患者が、
      テレビ見たり、退屈したりしているのを見ると、呼吸法でもやれば、
      入院患者の半分以上は、すぐ退院できるのに・・・」と思う。
      と書かれている。一度試してみるとよい。道具も金もかからない。

2)但し呼吸法は万能ではない。食事療法が基本です。「腹八分に医者いらず、
      腹六分に病なし」を守ってこそ健康が維持される事をお忘れなく。            

おわり

玄米クリーム食のすすめ By 豊岡 倫郎 氏 2024年9月26日

1. 日本人は薬好き

日本人の薬好きは有名。
薬局で大衆薬で一番売れているのが胃腸薬だそうです。
それ位胃の悪い人が多いのだろうか。
内科医奥田昌子著「日本人の体質」によれば、日本人
と欧米人の胃の形が違うという。日本人の胃は、
たいてい釣り針の様に縦に長く、曲がった形をしている
ため、逆流しにくく、出口が少し高い位置にあるので、
食物をしっかり溜めて消化できる。

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欧米人の胃は、すっきりした形で、胃の内容物がスムーズ
に腸に移動できるのが特徴である。日本人は炭水化物を
中心に食べてきたので、食べ物が胃に留まる時間が長く、
胃の粘膜が長時間胃酸にさらされるので、炎症など不快
な症状が起きるという。

 
2. 玄米クリームとは

甲田光雄著「断食少食健康法」40ページによると、
断食前の暴飲暴食で胃壁を荒らした人の治療食として
「玄米クリームが食」が著効を奏することはこれまで多数
の患者に応用してみて、いよいよ確信を深めるように
なりました。
玄米クリーム食とは、生玄米を粉にして、それに適量の
水を加え火にかけて糊状に炊いたものです。

(作り方)
玄米粉50g程度を一人前とする。これに水360ccを加え
とろ火で焦げ付かぬように撹拌して、5分煮る。出来上がりです。
粒の芯まで水分が入らずに、柔らかくならない時は、もう一度
煮たててみる。

食べる時は,適量の塩を加える。好みに応じて鶏卵を加えても
よい。
玄米粉は製粉機で直前に粉にしてもよいし、市販の玄米粉
を買ってきてもよい。但し残りは、酸化しないように冷凍庫に
入れておく。
あるは生玄米を2日間水に浸けてから、ミルサーでミルク状に
して、鍋に入れて加熱してもよい。

3.玄米クリームの効用

 ●玄米は生きているので生命力がある。
 ●ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富にある。
 ●胃腸の負担にならず、消化吸収が良い。
 ●胃腸の炎症をとる。

等から
甲田先生は断食前の準備食として、採用していた。特に胃炎、胃潰瘍、
胃下垂の人、および体力のない人が断食に入ると、悪心、吐き気、
脱力感など生ずるのを防ぐのに良い。

● 甲田先生は生活習慣病、アレルギー症などの患者さん達に断食、
少食健康法を実行するにあたり、症状に応じて、玄米クリーム食と
生野菜食を採用して、治療効果を上げた。甲田光雄著「奇跡が起こる
半日断食」に記載されている玄米クリーム食を採用した症例は、
例えば、冷え症、慢性性胃炎、慢性腸炎、胃腸虚弱、慢性疲労症候群、
不整脈、動悸などの初期療法として採用している。

4.発芽玄米について

発芽玄米は玄米と同様に、腸内環境を整える食物繊維をはじめ、
ミネラルやカルシウム、ビタミンEなど健康や美容に役立つ栄養素が
豊富である。
さらに、発芽玄米にはGABA(ギヤバ)やγ-オリザノールやIP6
(フィチン酸)などの機能成分が多く含まれていて、なかでも、
GABAの量は玄米の2〜3倍!玄米と比較しても栄養価がアップ
している。GABAは神経の興奮を抑え、自律神経のバランスを整えて、
リラックス効果を促してくれる神経伝達物質の一つである。
主にストレス軽減の効果で注目されているが、血圧上昇を抑えたり、
睡眠の質を高めたり、中性脂肪の燃焼を促進したりと健康に良いことが
たくさんある。発芽玄米を製粉して、玄米クリームを食すると、
胃腸の弱い方には
最適きである。

5.白米と玄米と5分搗き米の栄養比較

下図は玄米の栄養素を100とした時の精白米及び5分搗き(ずき)
米の割合を示す。

見ての通り、白米は玄米に比べて、糖質とエネルギー少ないが劣らない、
たんぱく質がまあまあで、あとは栄養は少ない。玄米食に変えたらどうか
手始めに7分搗きから始めるとよい。

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6.まとめ  
      

1)現代人は食べ過ぎで病気になっている。玄米食にすれば病気も減る
  に違いない。玄米を食べれば3食は必要ない。2食で充分である。

2)「生きたものは生きたものに養われる」これが生物界の大原則である。
  玄米が体に良いのは
栄養ばかりではない。水に浸ければ芽が出る。

3)内視鏡で2万人の患者の胃を観察している内科医の江田証博士の著書
 「医者が患者に教えない病気の真実」によれば、日本人の約6割の人の
  胃が萎縮性胃炎になっているという。

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  胃が萎縮性胃炎になっているという。

  胃の粘膜が薄くペラペラになり、軟膜の下の血管がすけて見える
  ようになっている。
  老化して、なんと腸化現象なのである。腸化した胃は胃がんになり
  易いから要注意。

4)手始めに、胃の調子の悪い人は、初期の段階に1食を玄米クリーム食
  にしてはどうか。   

                                    

おわり

宿便が万病の元 By 豊岡 倫郎氏 2024年8月29日

1.宿便とは

現代医学では「宿便なんか存在しない」と言うのが定説となっている。
腸粘膜は3~4日で入れ替わり、内視鏡で検査しても存在しない、と言う。
そもそも宿便とは何か。
断食療法を40年間、何万人も指導してきた故甲田光雄博士の本によると、
宿便とは、胃腸の処理能力を超えて食べ過ぎ続けて結果、腸管内に渋滞
する排泄内容物なのである。
処理能力を超えて食べ続けると、胃腸が伸びて垂れ下がり、横に広がった
りするが、安定が悪いため、あちこちにへばりついて癒着が起きる。
すると変形したり、細くなったり,ねじれたりする。
そこに食物残渣が引っ掛かり、とおりが悪くなって、宿便として、渋滞する。

更に大食を続けると、腸管が膨らみ、腸壁が薄くなる。直径が二倍になると、
腸壁は厚さは三分の一に薄くなる。その中を通る血管や神経が圧迫されて、
機能が衰えるのは当然である。腸マヒ状態となる。これでは宿便が停滞して
もおかしくはない。
その結果、内容物が腐敗発酵して、インドール、スカトール、フェノール
など有害毒素が発生して、腸壁から吸収され血液の中に入り込み、全身の
細胞に影響を及ぼす。当然腸内環境が悪く、善玉菌が減り、悪玉菌が増える。
これが「宿便が万病の元」と言われる所以である。

2.宿便排泄事例

嘘か真か宿便排泄の事例を、甲田光雄著「あなたの少食が世界を救う」
によって紹介すると、

その1)

H婦人、60歳、150cm、68kgが高血圧、頭痛、ふらつきで
永年悩んでいたが、
甲田医院に入院して、70日間のスマシ汁断食を行った。
入院時甲田先生は診察して、あなたはお腹に宿便が溜まっている、と夫人に
伝えると。エ~そんな筈はない。私は10年間玄米食を食べ、1日に2回排便
している。宿便がないと、言い張るので、先生は試しに断食をしてみなさいと
いうことで断食を実行する。その間に毎日驚くばかりの沢山の宿便が排泄された。
甲田先生はH婦人にそれを写真に撮って起きなさいと指示した。
1冊のアルバムが出来た。その後「日本絶食研究会」の例会で出席者に披露した
ところ先生方はびっくりしたという。そしてH婦人の高血圧、頑固な頭痛は治り、
その後いた生野菜食だけの少食を続けていた。

その2)

Tさん、当時中学2年生の娘さんがリュウマチで、お母さんに連れられ
て入院。少食療法と断食療法で大変よくなって退院したが、家に帰って少食が
守れず、又痛みが出た。2回目に入院では、70日間のスマシ汁断食を行った。
その期間中リュウマチの痛みは少しずつ良くなってゆくが、急に痛みが強く
なることが起こった。そんな時は宿便が排泄されるのだった。
そんなことが度々起きると、本人は痛みが強くなると、宿便が出るなと判るよう
になって来たのである。リュウマチは宿便が原因だと解ったのである。

その3)

S氏、男性、58歳、大学教授。高血圧と3糖尿病による網膜症で視力
低下で入院。3週間の断食療法を行う。入院患者には断食と同時に全員に
緩下剤(スイマグ)を朝晩10ccずつ飲むが、そのため平均して1日3回
くらいの排便が毎日あるのだが、それも水様便である。
こうして水だけを飲み続けて、お腹はペチャンコにへこんだ状態だった。
ところが断食16日目に異変が起こった。夜中から数回排便があり、
泥状の便がドンドン出て便器にあふれる位だった。
本人のS氏は
びっくり。まだお腹のなかにこんなに便が有ったとは。
以後血圧も下がり視力も回復し、糖尿病も快癒した。

その4)

Tさん、男性、31歳、172cm、74kg、コレステロールがやや高め、
脂肪肝も少し認められる、会社員。
母親がこの健康法の信奉者で息子に健康意識の植え付けるため入院させた。

今迄家で母親に薦められて、スイマグを飲んでおり、便通1日に2回あり、宿便は
ないだろうと、思っていた。ところが断食に入ると出るは出るわ、どんぶり鉢に
5~6杯出たのである。この様に元気な若者でも、宿便を溜めていたのである。

従って一般の人でも長年大食を続けていると宿便を溜めており、どんな病気が
出てもおかしくない。

3.森美智代さんの体験

難病の脊髄小脳変性症を西式甲田療法で治し、現在八尾市で鍼灸院を開いて
いるが、その著書「おうち断食で病気は治る」及び「少食健康法」によると、
宿便には色々あり、ヘドロ状のもの、黒いコルタール状でどぶ臭い匂いを
伴うもの、腸の形がそのまま出て来た様なもの、石の様にころころしたもの、
水にフワフワと浮く藻のようなもの、砂状のもの、などが有る。

宿便が出る時は、体がデトックスモードになっていて、体のあらゆる部分から、
目ヤニ、鼻くそ、フケ、臭い息、汗が噴き出る。それは今まで体に浸み込んで
いた粘膜から、特に脂肪部分に浸透していた水銀、カドミュウム、重金属類、
食品添加物などが出てくる。

4.少食、断食のやり方

これを機に少食、断食に関心のある方は前述の森美智代さんの本が参考になる。
決して素人判断で、勝手に行わないように。

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5. 生菜食療法の一例と甲田カーブとは

甲田医院で少食で行っていた生菜食の一例は下記の通り。

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また半日断食の少食にすると、段々痩せて行き、相貌が悪くなる。
すると周りの「物知り」があれこれ口を出す。
「そんなことをしていたら栄養失調で死んでしまうぞ」と喧しい。
本人の固い意志もぐらついてしまう。
甲田博士が今までに行った何千人の治験から、少食にすると体重が一旦減っ
てゆくが半年くらいすると徐々に体重が増えて行くから心配不要。
これを甲田カーブという。↓

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6.まとめ

1)今一度高脂肪、高蛋白の大食を続けると、行く先に希望が見えるのだろうか。
  大食の害、宿便のもたらす疾病の数々を予防するには、少食しかない。

2)毎日食べる食べ物には命がある。人が生きて行けるのは、食べ物の命を
  戴いているからである。感謝して食べる気持ちを持とう。
  また大食して胃腸をイジメないように。悲鳴を聞く耳を持とう。
  これが健康道徳心というもの。テレビでは今日も大食番組を放映している。
  モラルも地に落ちた。

おわり

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