健康寿命を延ばそう By 豊岡 倫郎 氏 2026年9月2日
1.平均寿命と健康寿命の差が大きい
日本人の平均寿命と健康寿命の差は、男性が約9年、女性が約12年です。平均寿命とは生まれてから亡くなるまでの期間、健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間をいう。この2つの期間の差が大きい事は、日常的な支援や介護、医療が必要になる期間が長いことを意味していて、最近は健康寿命を如何に伸ばすかが課題となっている。
2.最近の生活習慣病の罹患傾向
定かな数値は解らないが、最近増加傾向にある生活習慣病について、言われている事は、年間ガンに罹る人は約100万人、死亡数は年間38万人で、全死亡者の24%を占める。最近のガン罹患の部位別では、すい臓がん、前立腺がん、乳がん、大腸がんが増えているという。これは食生活の欧米化、即ち高脂肪高蛋白の食事の増加によるもの。

その他生活習慣病数は、糖尿病予備軍含み2200万人、高血圧・高脂血症7000万人、脂肪肝3000万人、慢性腎臓病1400万人、骨粗鬆症1300万人、便秘症約700万人、認知症MCI含み 900万人、なおMCIとは軽度認知症のこと。最近の傾向としては慢性腎臓病、認知症、高脂血症が増加傾向にある。若年層のガンも増えた。
↑ 患者数の推移(少々データは古いが・・・)
3.何故生活習慣病が増え続けるのか
どこの総合病院へ行っても待合室は患者で溢れている現状を見るにつけ、いくつかの疑問が湧いてきた。先ず、今の医療体制では病気は完治できないのではなかろうか。その上に更に新たに患者が増えて累積されて行くのではなかろうか。正に日本列島は病人大国になってしまった感がある。
そこでその増加要因を挙げると、二カ月前の健康情報で解説したテロメアを短くする3大要因と共通するのである。即ち、炎症、糖化,酸化である。
これらが万病の元となっていることである。なかでも炎症について、再度解説すると。
炎症とは、即ち「慢性炎症」のことである。慢性炎症とは、炎症が低レベルで、長時間持続して、慢性化した状態をいう。例えば慢性肝炎、胃腸炎などで、炎症が長く続けば細胞分裂も頻繁になり老化細胞も増えて、組織も器官も衰えて行く。ガンにもなり易くなる。外にも肥満になると脂肪組織から炎症性サイトカインの分泌が増えて、炎症が進む。
ある大学で100歳以上の人の炎症性マーカー (炎症の度合いの指標)の値を調べたところ、低い事が判明した。即ち長寿者は炎症が低く、テロメアが長い事が判った。そして健康寿命も長い事も。最近炎症に関する関心が高まってきた。関心のある方は、元東大病院総合内科外来医長・金子義保著「炎症は万病の元」
生活習慣病の真実、医療の現実。中央公論新社発行。をご覧あれ。医学用語が頻繁に現れ、少し難解であるけれども、大筋話は理解できる。名著と言う評判の本。
4.健康長寿を延ばす健康法
日本には「腹八分に病なし、腹十二分に医者足らず」という格言がある。人間の体は「空腹のときに健康を保つ」ように遺伝子が設計されている。内外の研究発表でも赤毛猿、モルモット、ラットの実験でも少食の餌を与えた方が長寿になることが証明されている。
西式甲田療法で多くの難病患者の治療に貢献した故甲田光雄博士の少食の効能を列挙すると。
- 健康と長寿を約束する。
- 疲れず、よく働ける。
- 頭脳が明晰となる。
- 自然治癒力、免疫力が高まる。
- 便通が良く、宿便が排泄される。
- 家庭経済も楽になる。
- 短い時間でぐっすり眠れる。
- 美容法である。
5.少食生活に成功するには
食べ過ぎが体に悪い事は、頭では理解しているが、つい食べ過ぎてしまうと云う人が多い。それに歯止めをかける方はないのか。
少食に成功する方法は以下の通り。
- 食べ物は命を戴いているのだと、自覚すること。
- 人生の高い目標を持つこと。それを成し遂げるまでは生きねばならないと。
- 誘惑に負けない強い決意をもつ。
- 大食、甘い物、お酒の害を充分認識すること。何が体に悪いかを知らない人が多い。まず体に悪い事を止める事が先決。
- 人間も自然界の動物である。体の悲鳴が判る人間になる事。体を「イジメ」てはいけない。これは健康倫理に帰する問題だ。生きた良い食べ物に生かされている事に感謝する気持ちを持つ。
- 傲慢な気持ちを持ち、慢心している人が何と多い事か。危機管理意識を持つ。
6.要介護になる要因
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血などで、脳の血管が詰まったり破れたりして動けなくなるケース。
- 認知症になり、体を動かす司令が伝わりにくくなり、意欲、筋力が低下して活動が衰える。
- 骨折・転倒する、すなわち、骨粗鬆症で転倒し、大腿骨などを骨折して入院・安静を余儀なくされると、認知症にもなるケースが多い。
- 高齢による衰弱・フレイルになる。運動不足、栄養不足で体力が低下する状態(フレイルやサルコペニア)になり、ちょっとした病気やケガをきっかけに寝たきりになる。
7.いつまでも動ける健康体作り
健康寿命を維持するには、食事管理と運動療法が必須である。お薦めするのは自彊術体操である。その効能を説明すると、次の通り。
31種類の体操を約15分かけて、自分で行うだけである。その内容は内蔵へのマッサージ、指圧、ツボや経絡への刺激、関節、脊椎の矯正、筋肉や筋の強化と柔軟化、呼吸器への酸素の取り入れなどを、その人の体力に応じて手軽に行える。この体操によって、姿勢が良くなり、内蔵の活動が活発になり、便通が良くなり、食べ物の消化吸収がよくなり、酸素の体内への取り入れが増え、酸性体質もアルカリ性に変わり、血液循環も盛んになり、骨格も調整され、関節の動きもスムーズになる。体全体の自然治癒力が高まる。この体操を終えた後は体の芯からエネルギーが湧き出てきて、気持ちがスッキリする。やってみないと人には解らないだろう
8.まとめ
1)相変わらず、テレビでは、毎日やれグルメだ、スイーツだと騒がしい。大食を奨励しているようにも受け取れる。あるいは視聴率アップを狙ってのことか。
2)「食を制するものは命を制する」の格言の通り、大食、過食は時間のかかる自殺行為であることに気が付くのは、何時の事か。それまでは、日本列島は病人で溢れかえる状態が続くのか。
3)人の体は化学工場と同じである。甘いお菓子を食べれば、AGE(週末糖化産物)が出来る、アルコールを飲めば活性酸素が発生する。大食すれば腸内環境が悪くなり、腸漏れが起きて、毒素が体内の組織に炎症を起こす。これらは一例にすぎぬ。「悪事も積もれば病となる」である。
4)今総合医療体制の構築が望まれる。アメリカより20年は遅れているという、食の改善を。
おわり
画像は勝手に追加しました、お許し下さい。









































最近のコメント